国土交通省は、公営住宅法(昭和26年法律第193号)等に基づき、公営住宅の建設、除却等の事業を実施する地方公共団体に対して、社会資本整備総合交付金等(以下「交付金等」という。)を交付している。そして、公営住宅等整備事業対象要綱等によれば、既設の公営住宅を除却してこれに代わる新たな公営住宅を建設するなどの場合には、公営住宅の除却に係る事業(以下「除却事業」という。)を交付金等の交付対象とすることができるとされている。また、同法によれば、公営住宅の入居者は、公営住宅を整備して管理する地方公共団体(以下「事業主体」という。)の承認を得たときを除き、公営住宅を増築してはならないとされている。そして、同省が作成して事業主体に周知している「公営住宅管理標準条例(案)」によれば、入居者が事業主体の承認を得ずに公営住宅を増築したときは、自己の費用で原状回復等を行わなければならないこととされている(以下、事業主体の承認を得ずに増築された建築物を「無断増築物」という。)。
しかし、32事業主体が実施した公営住宅の除却工事において、事業主体が、無断増築物の除却に係る費用を交付金等の交付対象事業費に含めて、これに係る交付金等の交付を受けている事態が見受けられた。
したがって、国土交通大臣に対して令和6年9月に、会計検査院法第36条の規定により次のとおり改善の処置を要求した。
本院は、国土交通本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、国土交通省は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。