福島地方環境事務所(以下「事務所」という。)は、令和4、5両年度に、除去土壌等減容化・再生利用技術研究組合(以下「組合」という。)に、公募実施後の随意契約により「令和4年度除去土壌再生利用技術等実証事業」を契約額212,300,000円で請け負わせて実施している(本件事業の概要については後掲の「0372除去土壌再生利用技術等実証事業において一度も使用されることなく保管されたままとなっていた機器の有効活用が図られるよう、また、今後実施する除去土壌の再生利用に係る事業において事業の実施に関する調整の見通し等を勘案して、機器等の購入手続の開始時期について十分に検討を行うなどの体制を整備するよう改善させたもの」参照)。
本件事業の契約書によれば、発注者は、必要があると認めるときは、仕様書等の変更内容を受注者に通知して仕様書等を変更することができるとされており、この場合において、発注者は、必要があると認められるときは、契約額等を変更するなどしなければならないこととされている。
事務所は、本件事業について、当初契約の締結後に、実施に関する調整等に相当な時間を要する見込みとなったことなどから、契約の履行期限を延期する契約変更を2回行っている。その後、事務所は、本件事業のうち一部の業務については履行期限までの完了を見込めなくなったとして、6年3月28日に、実証業務等を中止することなどを内容とする仕様書の変更を行うとともに、契約額を212,300,000円に減額する3回目の契約変更を行っている。
そして、事務所は、組合から本件事業が完了したとする業務完了報告書の提出を受けた後、検査を実施して、契約変更後の仕様書どおりに業務が完了したことを確認したとして、同年4月10日に、組合に212,300,000円を支払っている。
本院は、合規性、経済性等の観点から、契約額の変更は仕様書の変更を踏まえて適切に行われているかなどに着眼して、本件契約を対象として、事務所において、予定価格調書、契約書、仕様書、支払関係書類等の関係資料を確認するなどして会計実地検査を行った。
検査したところ、次のとおり適切とは認められない事態が見受けられた。
事務所は、当初契約の予定価格について、機器取扱業者等から徴取したモニタリングポスト6基の購入及び設置並びに漏水検知システム1基の購入及び設置に係る参考見積書の価格を基に、これらの機器に係る直接工事費等を算出し、これに諸経費等を加えるなどして積算していた。
そして、事務所は、3回目の契約変更に当たり、実証業務等を実施しないことなどとする仕様書の変更を行うとともに、実証業務等に係る一部の費用を減額するなどして契約額の変更を行っていた。その際、事務所は、実証業務で使用する予定であったモニタリングポスト6基及び漏水検知システム1基について、3回目の契約変更時点で既に組合に納入済みであったとして、これらの機器の購入費用、設置費用等については減額していなかった。
しかし、上記の減額していなかった費用の中には、実際には行われていなかったモニタリングポスト及び漏水検知システムの設置に係る費用や、実際には組合に納入されていなかった漏水検知システムの格納箱、無停電電源装置等の一部の機器に係る購入費用等が含まれており、事務所は、3回目の契約変更に際して、これらのことを踏まえて契約額を減額する必要があった。
したがって、本件契約について、モニタリングポスト6基の設置費用(3,216,294円)、漏水検知システムの設置費用(6,321,534円)及び漏水検知システムの機器のうち組合に納入されていなかった機器に係る購入費用(5,391,000円)を減額するとともに、過小に算出されていた諸経費等の増額分を考慮するなどして適正な契約額を算定すると200,826,451円となることから、前記の契約額212,300,000円はこれに比べて11,473,549円割高となっていて不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、事務所において、3回目の契約変更に当たり、機器を設置しないこととなったことなどを踏まえて適切に契約額を減額することの必要性についての認識が欠けていたことなどによると認められる。