• 令和6年度
  • 第3章 個別の検査結果
  • 第1節 省庁別の検査結果
  • 第12 復興庁、(第5 文部科学省、第7 農林水産省、第9 国土交通省)
  • 令和5年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

(1)―(3) 福島再生加速化交付金により設置造成等が行われた基金の規模について


令和5年度決算検査報告参照

1 本院が要求した改善の処置

復興庁設置法(平成23年法律第125号)によれば、復興庁は、関係地方公共団体が行う復興事業への国の支援その他関係行政機関が講ずる東日本大震災からの復興のための施策の実施の推進及びこれに関する総合調整に関することなどの事務をつかさどることとされている。福島再生加速化交付金(以下「加速化交付金」という。)の交付を受けて地方公共団体が実施する事業には、事業計画の計画期間が複数年にわたる基金型事業があり、交付対象事業ごとに各省各庁が所管している。そして、復興庁は、毎年度、福島県及び管内市町村等(以下「福島県等」という。)から個々の基金型事業が完了した後の残額(以下「基金残額」という。)等について把握可能な報告書(以下「進捗状況報告」という。)の提出を受けている。また、財務大臣が各省各庁の長宛てに発出した「基金造成費補助金等の活用に関する指針について」によれば、各省各庁の長は、基金の廃止時期が到来する前の時点においても、基金の額が過大であるか否かを不断に確認することなどとされている。

しかし、文部科学省、農林水産省及び国土交通省において、加速化交付金を原資として設置造成又は積み増しをした基金(以下「加速化交付金基金」という。)の保有額が過大となっていないか十分に確認しておらず、5市町村において使用する見込みのない基金残額を保有していて、加速化交付金基金の保有額が過大となっている事態が見受けられた。

したがって、内閣総理大臣、文部科学大臣、農林水産大臣及び国土交通大臣に対して令和6年9月に、会計検査院法第36条の規定により次のとおり改善の処置を要求した。

ア 復興庁において、基金型事業の所管省庁に対して、基金の執行管理が十分に行われるよう、進捗状況報告を提供することなどにより個々の基金型事業の執行状況や基金残額の把握に資する情報を共有するなどした上で、加速化交付金基金の保有額が過大となっていないか確認することなどの必要性について周知するとともに、福島県等に対して、基金残額を流用できる継続事業がないなど使用する見込みがない場合には、基金型事業の所管省庁との間で使用見込みのない基金残額の国庫への返還手続を進めることについて改めて周知すること

イ 使用見込みのない基金残額に係る基金型事業の所管省において、5市町村に対して、使用見込みのない基金残額を国庫へ返還するように指示するなどすること

2 当局が講じた処置

本院は、復興庁本庁、文部科学本省、農林水産本省及び国土交通本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。

検査の結果、復興庁、文部科学省、農林水産省及び国土交通省は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。

ア 復興庁は、7年6月までに基金型事業の所管省庁に対して、進捗状況報告を提供することにより個々の基金型事業の執行状況や基金残額の把握に資する情報を共有するなどした上で、事務連絡を発するなどして加速化交付金基金の保有額が過大となっていないか確認することなどの必要性について周知した。また、6年9月に福島県等に対して事務連絡を発して、基金残額を流用できる継続事業がないなど使用する見込みがない場合には、基金型事業の所管省庁との間で使用見込みのない基金残額の国庫への返還手続を進めることについて改めて周知した。

イ 使用見込みのない基金残額に係る基金型事業の所管省は、7年5月までに5市町村から使用見込みのない基金残額を国庫へ返還させることなどにより、基金の規模を適切なものとした(参照)。

省名
基金残額
(令和4年度末時点)
国庫へ返還したもの 継続事業で新たに事業計画の変更が生じたことから流用したもの
文部科学省 81,520 81,520
農林水産省 722,171 517,580 204,591
国土交通省 1,297,766 533,822 763,944
2,101,457 1,132,922 968,535