• 国会及び内閣に対する報告(随時報告)
  • 会計検査院法第30条の2の規定に基づく報告書
  • 令和6年12月

中小企業者等に対する新型コロナ特別貸付等に係る貸付債権等及び新型コロナ関連保証に係る保証債務等の状況について


別図表16 連合会における損失補償のために交付された補助金の概要等

項目 内容
趣旨  

国は、新型コロナ関連保証等の発動に伴い、今後協会が行う代位弁済が増加し、連合会から協会への損失補償が増加することが懸念されることから、連合会に対して、経営安定関連保証等対策費補助金(注)を交付する。連合会は、同補助金を基に経営安定基金(損失補償)を造成しており、経営安定基金(損失補償)を原資として、連合会と協会との間で締結した損失補償契約に基づき、協会に対して、損失補償を行う。

  • (注) 協会が経営の安定に支障が生じている中小企業者等に対する民間金融機関からの融資に保証を行い、債務不履行が生じた場合に発生する協会の損失の一部を補塡することにより中小企業者等の資金繰りの円滑化を図ることを目的とするもの
概念図
別図表16 連合会における損失補償のために交付された補助金の概要等の概念図
予算措置等の状況
(単位:億円)
予算科目 (一般会計) 年度 予算額
(注)
前年度
繰越額
予備費
使用額
予算
現額
支出
済額
翌年度
繰越額
不用額
組織
中小企業庁 中小企業事業環境整備費 経営安定関連保証等基金補助金 令和元年度 - - 7 7 7 - -
2年度 6415 - - 6415 6415 - -
6415 7 6422 6422 -
  • (注)  令和2年度の予算額は、2年度一般会計補正予算の予算額を示している。
予算の積算の考え方

過去の経営安定関連保証の利用実績等を踏まえて、新型コロナ関連保証等に係る保証承諾の事業規模を想定し、それに過去の経営安定関連保証に係る事故率を乗ずるなどして予算額を算定

(例)令和2年度第2次補正予算(新規保証分)
予算額
2695億円
事業規模
25兆6963億円
×
事故率
9.84%
×
非回収率
83.97%
×
非塡補率
×
損失補償割合
(注) 借換保証分についても同様に算定
事故率及び非回収率の状況

「予算の積算の考え方」のとおり、事故率は9.84%、非回収率は83.97%を想定している(事故率は保証承諾後10年間、非回収率は代位弁済後9年間という前提)。

そして、新型コロナ関連保証等は令和元年度に制度が開始され5年度末時点で4年程度が経過した段階となっている。そこで、あくまで途中段階になるが、元年度から5年度までの新型コロナ関連保証等の事故率及び非回収率をみたところ、事故率は2年度以降上昇傾向ではあるものの、5年度末時点で1.27%となっていた。これは、別図表15と同様、民間ゼロゼロ融資の据置期間が最長で5年とされていることなどによるものと考えられる。ただし、最終的な事故率は、保証債務残高がなくなるまで変動し得るものであるため、今後、代位弁済が増加することによって上昇する可能性はある。

一方、非回収率は、2年度と比較すると下降傾向ではあるものの、5年度末時点で95.50%となっていた。これは、非回収率も事故率と同様に今後、変動し得るものではあるが、別図表15と同様、民間ゼロゼロ融資が無担保とされていることなどによるものと考えられる。

別図表16 連合会における損失補償のために交付された補助金の概要等の図1