(部)終戦処理費(款)終戦処理事業費(項)終戦処理既定調達費
(395)
特別調達庁で、昭和23年8月関東配電株式会社に請け負わせたジヨンソン変電所電気設備工事の請負額17,678,529円のうち、諸経費7,001,001円には電工等労務者の宿泊に要する経費として1人1日宿泊料450円の割合で2,433,393円が計上されているが、これら労務者の宿泊のためには飯場を建設すれば足り、その建設費は約30万円に過ぎないのに宿泊料を与えるものとして積算し、ひいて請負額を高価ならしめたものである。
なお、当局者は25年4月精算に当り、実際宿泊を要しなかつたものがあつたなどのため1,088,293円を減額の上支払を了している。
(396) 福岡特別調達局で、昭和23年11月高野建設株式会社に請け負わせた小倉市北方道路改造工事に要した材料のうち、軍貸与のトラツクで砕石土場から工事現場に搬入した砕石3,219立米については砕石土場渡統制額で代価を計算すべきであるのに、最寄駅貨車乗渡統制額でこれを計算したため、諸経費をあわせ約190万円を過大に積算して支払つている。
(部)終戦処理費(款)終戦処理事業費(項)終戦処理維持費
連合国軍各部隊等の維持管理工事は、昭和24年4月ごろから8月ごろまでの間におおむね請負から軍の直営に切り替えられたが、この切替の際実際の維持管理工事に必要な量を越えた資材の納入、あるいは資材の納入に伴う役務の提供等を従来の維持管理工事の作業命令で要求されたものが多い。しかして、本来工事については企画その他につき多大の手数を要する関係で高率の諸経費を賦課するものであるが、このように単なる資材の納入あるいは資材の納入に伴う役務の提供等は工事ではないから、その諸経費も本来の維持管理工事と区分して支払うべきものと認められるのに、維持管理工事の諸経費率18%から26%をそのまま適用して支払つたものが、本院会計実地検査の結果明らかになつたものだけでも左のとおり8件98,219,642円に達している。
いま仮に、この諸経費を特別調達庁の物品納入の際における手数料5%として計算すれば、17,670,228円を節減することができたものである。
庁名 | 工事名 | 支出金額 | 支出金額のうち本件資材納入等の金額 | 同上に対する諸経費 | 諸経費を5%とした金額 | 節減可能額 | 請負会社 | |
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||
(397) | 特別調達庁 | 立川基地西地区維持管理工事 | 75,643 | 27,962 | 6,005 | 1,398 | 4,607 | 秋島建設 |
(398) | 〃 | 立川基地家族住宅及びジヤマ地区維持管理工事 | 75,098 | 24,335 | 5,612 | 1,216 | 4,395 | 大成建設外1名 |
(399) | 仙台特別調達局 | 三沢地区維持管理工事 | 120,400 | 18,343 | 3,885 | 917 | 2,968 | 東京復興産業 |
(400) | 京都特別調達局 | キヤンプ大津外1箇所維持管理工事 | 7,879 | 6,452 | 1,449 | 322 | 1,127 | 吉田建設外1名 |
(401) | 福岡特別調達局 | 熊本キヤンプウツド外1箇所道路補修工事 | 13,624 | 10,294 | 2,597 | 514 | 2,082 | 西田組 |
(402) | 〃 | 西戸崎部隊維持管理工事 | 4,586 | 2,404 | 790 | 120 | 670 | 鹿島建設 |
(403) | 〃 | 芦屋空軍基地維持管理工事 | 4,092 | 2,198 | 593 | 109 | 483 | 梅林土木 |
(404) | 〃 | 板付基地補修工事 | 12,156 | 6,227 | 1,646 | 311 | 1,334 | 鹿島建設 |
計 | 313,479 | 98,219 | 22,581 | 4,910 | 17,670 |
(405) 大阪特別調達局で、大阪市泉本某に支払つた第27連隊営内川砂、砂利敷工事の代金4,931,884円のうち、トラツク運賃2,084,384円の算定に当り、運搬距離は片道4キロメートル及び10キロメートルであるのに、誤つてこれを8キロメートル及び20キロメートルとしたため、431,510円を過大に積算していたので昭和25年2月本院会計実地検査の際注意したところ、、右金額を返納させることとした。