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  • 昭和24年度|
  • 第5章 不当事項|
  • 第3節 政府関係機関別事項

日本専売公社(専売局特別会計を含む。)


第1 日本専売公社(専売局特別会計を含む。)

 日本専売公社の経理で、不当と認めた事項は後述のとおりであるが、なお左の事項については留意が望ましい。

1 たばこ事業

(1) 販売に適しない製造たばこ 昭和24年度における製造たばこの供給数量は、前年度からの繰越をあわせ770億3千8百余万本、うち年度中の販売数量は657億5千1百余万本で、年度末残高は112億8千7百余万本となり。年間を通じて多量の手持となつたのであるが、このため年度内に1億7千1百余万本、又、25年度では9月までに更に8億3千5百余万本の販売不適品を生じ、それぞれ更装処理をしている状況である。販売不適品となつた事由としては、在庫量が適正量を越えた外、これに原料の関係並びに製造及び保管施設その他の不備も競合したものとは認められるが、製造計画数量が販売見込数量に即応するよう機宜の処置がとられることが望ましい。

(2) 材料の調達 (イ)材料品のうち両切たばこ用の外小函、中小函については、京都工場でその大部分を製造し、同工場能力の不足分として、凸版印刷株式会社外4会社に材料を官給して加工させ、約7,900万円の代金を支払つているが、京都工場の製造能力にはなお活用の余地があり、同工場の24年9月から25年3月までの操業実績を年間を通じて確保し得るものとすれば、外注数量の約半量は直接製造できるものと認められる。又、(ロ)三島製紙株式会社外3会社から収納したたばこ用巻紙9,200,864封度の賠償価格7億7千6百余万円については、主要原料である亜麻繊維の代替品として低価な国内産故麻の入手が増加したばかりでなく、23年5月から朝鮮故麻を公社のあつ旋により入手し得るようになつたので、この事情をしんしやくしてすみやかに価格を改訂すべきものであつたと認められる。

(3) 保管寄託料 葉たばこ並びに製造たばこの保管については、公社倉庫が不足しているため民間倉庫に保管を寄託し、その保管料の支払額は2億4千4百余万円の多額に及んでいるが、倉庫を拡張し寄託料の節減を図ることが望ましい。

2 塩事業

(1) 輸入塩の粉砕加工 24年度における輸入塩157万余屯のうち30万余屯を粉砕塩に加工し、1億4千1百余万円の加工費を支出しているが、多数の会社に分散委託したので、集中委託の場合に比べ原塩が各工場所在地に回送され、しかも割当数が僅少なため受託工場においては年間の大半を操業休止するなどに因り、経費が割高に当つている。

(2) 塩の回送 塩の回送については、操作が不手際であつたり、運賃率の適用を誤つたりした事例もあり、又、回送賃率の調整の処置が遅延した点もあつて、相当改善の要があると認められる。
 なお、公社もこれに留意し、25年7月末あらたに輸送部を設け、回送経費の使用について鋭意改善に努力中である。