日本国有鉄道車両局鉄道工場で、昭和24年度中に更新修繕、鋼体化改造工事等従来と趣を異にした工事を施行したが、原価計算及び物品の経理事務で、当を得ないものが左のとおりある。
なお、新修繕基準による作業の不なれと、資材調達事務の不円滑なため、ひいて作業能率の低下、工程の遅延、工事人工の増加等をまねき、修繕及び改良工事費の増加をきたした事例も見受けられる。
(1)土崎工場で、機関車、客貨車の修繕費及び鋼体化工事費を指定価格の範囲内にとどめるために、年度末においてこれらに要した工事人工のうち2,980人工分を当該工事費に計上せず、各種工事費に按分したものがあるが、これは正確な原価計算を困難ならしめるものである。
なお、浜松、広島、幡生、小倉の各工場にも同様の事例がある。
(2)広島工場で、24年9月から25年5月までの間に、工場発生品である鋼及び鉄くず等約240万円のものを正規の取扱によらないで簿外品として保有し、これを業者に引き渡し、その代償として人造と石その他の必要物品を納入させ、又は同工場の機器の修繕を行わせたものがある。
なお、工場発生品を簿外に保有していた事例が幡生、小倉、若松の各工場にもある。