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  • 昭和25年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第4節 各所管別の不当事項及び是正事項|
  • 第4 大蔵省|
  • 不当事項|
  • (一般会計)|
  • 物件

古軌條を低価に売り渡したもの


(160) 古軌条を低価に売り渡したもの

  (部)官業及官有財産収入 (款)官有財産収入 (項)官有財産売払代

 関東財務局で、昭和25年9月義合祥建設工業株式会社に東京都大田区所在の古軌条5,286米(195屯582)とその附属品等を随意契約により1,152,450円で売り渡したものがある。
 右は、前記会社が同年3月横浜特別調達局と契約した相模兵器廠第3期建物その他改修工事のうち側線増設工事に使用することを条件として売り渡したものであるが、そのうち軌条の売渡価格算定の内容を見ると、型鋼の統制額屯当り22,000円から耐用年数を40年、本品の経過年数を30年ないし40年として経年に件う償却額等を控除し、屯当り3,320円から5,390円総額843,665円と決定したものである。しかし、本件のように大体3米以上の軌条で軌条として使用できるものを売り渡す場合は、古軌条の統制額(再生用一級品)屯当り16,700円を基準として価格を決定するのが相当であるのに、型鋼の新品価格から経年に伴う償却額等を控除し、結局スクラツプ程度に近い前記価格で売り渡したのは低価に失するものと認められる。
 いま、本件売渡価格を前記統制額屯当り16,700円で計算するときは3,266,219円となり、本件売渡価格との間に242万余円の開差を生ずる計算である。
 なお、買受人が本件古軌条を使用した前記工事の工事費内訳書を見るに、材料費中古軌条の価格は屯当り17,750円と積算している状況である。