本会計においては、財務諸表を歳入歳出決算に添附していないが、これを添附する処置を講じて明確な損益を表示することが望ましい。
厚生省で作製した昭和25年度各勘定財務諸表によれば、(1)健康勘定においては、前年度繰越利益2億8千4百余万円をあわせ7億3千9百余万円の利益となつているが、被保険者資格を喪失した者に対し翌年度以降支払うことになる保険給付費を考慮するときはむしろ欠損を示すものと認められ、(2)年金勘定においては、前年度繰越利益253億4千1百余万円をあわせ384億9千8百余万円の利益となつているが、責任準備金を考慮していない計算であつて、すみやかに責任準備金の計算をする必要がある。
又、本会計の年間経理の状況を見るに、健康勘定においては、支払元受高を著しく超過して支出したもの、年金勘定の支払元受高を正規の手続によらず一時使用したもの、翌年度の歳入を財源として保険給付をしたものなどがあり、なお、年度末において保険給付の未払となつている額は12億7千7百余万円に上つている状況で、すみやかに収支の均衡を図り支払未済額を解消できるような処置を講ずることが望ましい。