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  • 昭和25年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第4節 各所管別の不当事項及び是正事項|
  • 第7 農林省|
  • 不当事項|
  • (一般会計)|
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工事の施行に当り処置当を得ないもの


(579)−(582) 工事の施行に当り処置当を得ないもの

(大蔵省) (米国対日援助見返資金特別会計) (款)援助資金貸出 (項)公企業支出

(579)  仙台農地事務局で、昭和25年11月西松建設株式会社に請け負わせた三本木開拓建設事業頭首工及び法量用水幹線工事の代金として、12月から26年4月までの間に26,850,000円を支出し、又、26年4月同会社に請け負わせた三本木開拓建設事業頭首工制水門すえ付工事の代金として、1,300,000円(うち河川締切水替費867,000円)を支出したものがある。
 右工事は、青森県上北郡十和田村大字法量に三本木開拓地区用水幹線水路の取入施設及び水路の一部を築造するものであるが、早期に巻揚機の入手手配をせず同年2月に至りようやくこれを発注したため、25年度工事から取入口制水門の巻揚機及び門扉の取付工事を切り離し、これを26年度の請負に付さなければならなくなつたもので、このため再度奥入瀬川の締切水替を施行し、その経費867,000円を更に支出するような不経済な結果を招いたものである。

(部)公共事業費 (款)一般公共事業費 (項)開拓事業費

(580)  熊本農地事務局で、昭和25年6月から26年3月までの間に、清水建設株式会社外1名に請け負わせた金剛干拓建設事業汐受堤とう工事の代金として、25年7月から26年4月までの間に24,739,896円を支出したものがある。
 右工事は、表石垣6,095平米42、裏石垣5,964平米21、中詰栗石7,739立米77を施行するもので、このうち表石垣の裏込コンクリートは厚さ10センチメートルとして総量614立米538(工事費1,676,693円)を施工するものであるが、26年7月本院においてその実地を検査したところ、裏込コンクリートの厚さが不足した部分があり、総量93立米143(工事費相当額255,215円)が出来高不足となつていた状況である。

(部)公共事業費 (款)災害復旧公共事業費 (項)農業施設災害復旧事業費

(581)  同局で、昭和25年7月豊洋建設工業株式会社に請け負わせた西国東干拓姫島採石設備災害復旧工事の代金として8月及び9月に1,110,000円を支出し、又、農林省西国東干拓建設事業所で直営施行した貯石場災害復旧工事費として8月及び9月に720,000円を支払つたものがある。
 右両工事は、24年6月の台風により災害を受けた大分県東国東郡姫島村所在大海、明石両採石場のさん橋2基及び貯石場石垣2箇所を復旧するものであつて、25年7月に着工し9月に完成したものとしているが、26年7月本院においてその実地を検査したところ、実際は大海採石場のさん橋1基及び貯石場石垣1箇所(工事費1,015,400円)の復旧工事を施行したが、明石採石場のさん橋1基及び貯石場石垣1箇所(工事費814,600円)は施行しないで、これにかえ本件災害に関係のない金崎採石場設備の補修及び増設工事を施行したものである。

(582)  同局で、昭和25年5月大石建設合名会社に請け負わせた遥拝堰災害復旧事業のうち取水暗きよ呑口及び内部たい積土砂しゆんせつ工事の代金として1,580,000円を支出したものがある。
 右は、球磨川右岸から中流に施設した取水暗きよが24年8月の台風による洪水のため土砂により閉そくしたのをしゆんせつしたものであるが、26年4月及び7月本院においてその実地を検査したところ、取水暗きよ内及びその呑口附近には再び土砂がたい積し、取水暗きよは利用不可能で、所要かんがい水は本件しゆんせつと同時に復旧された予備水門だけから取水している状況であつて、前記しゆんせつ工事費を徒費した結果となつている。 
 このような結果をきたしたのは、洪水の際、取水暗きよの取付部に施設されていた予備水門が決壊したため、球磨川の流心はその決壊口に移勤し、取水暗きよ呑口附近は流心からはずれ土砂がたい積する位置となつていたのに、流心の変化に件う土砂のたい積状況、流水の状況等を十分調査研究することなく、予備水門を復旧さえすれば流心はもとの位置にもどるものとして工事を施行したことによるもので、妥当の処置とは認められない。

工事の施行に当り処置当を得ないものの図1