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  • 昭和25年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第4節 各所管別の不当事項及び是正事項|
  • 第7 農林省|
  • 不当事項|
  • (一般会計)|
  • 工事

委託工事の施行に当り処置当を得ないもの


(585)−(587) 委託工事の施行に当り処置当を得ないもの

(部)公共事業費 (款)一般公共事業費 (項)開拓事業費

(585)  仙台農地事務局で、宮城県に委託した伊豆沼代行干拓第3工区の事業費として、昭和22年度から25年度までの間に22,050,949円(うち24年度以前の分11,050,949円)を支出したものがある。
 右事業は、伊豆沼の西南隅の一部に第1号締切堤防延長2,126米5(盛土143,333立米4)及び第2号堤防延長1,292米(盛土33,523立米7)を築造するもので、25年度までに策1号締切堤防延長2,126米5(108,892立米1)及び第2号堤防延長1,292米(7,035立米88)の盛土工事を施行したものであるが、26年6月本院においてその実地を検査するに、第1号堤防において盛土量7,895立米1が沈下している状況である。その原因は、基礎地盤が泥土であるため、盛土による土圧によつて地盤の泥土が堤防法尻に隆起し、堤体が沈下したもので、その復旧については改めて地質調査を実施し、その結果により具体的な計画をたてようとしている状況であつて、このような結果をきたしたのは、地質調査が不十分で沈下を防ぐための地盤の移動防止を考慮しなかつたことに因るものである。

(586)  同局で、昭和25年度中に、福島県に委託した五百川地区農地開発事業の建設工事費として6,053,000円を支出したものがある。
 右工事は、21年度に着工し、総工費約8000万円をもつて福島県安達郡熱海町外三村地内開田199町歩のかんがい用水路として開きよ延長19,332米84、ずい道延長3,158米99、その他附帯工事を施行するもので、25年度においては延長507米7の上流部開きよほ装、延長57米の上流部ずい道巻立等を施行したものであるが、その構造を見ると、開きよは3平米7045(うちコンクリート部分0.879平米)、ずい道は4平米2(うちコンクリート部分1平米324)の断面積を有し、その水路勾配等から計算するときは、毎秒優に2立米47を通水できるものであつて、開田地域の所要水量が毎秒1立米23であるのに比べ、水路途中における開きよへの承水を考慮しても構造は過大であると認められる。
 右につき本院において注意した結果、26年度以降未施行の分は、その断面積を開きよ2平米8413(うちコンクリート部分0.7122平米)、ずい道3平米092(うちコンクリート部分1平米1528)と縮少した設計により施行することとしたが、25年度施行分も同様の断面積によつたとすれば、更に264,800円を節減することができた計算である。

(587)  東京農地事務局で,茨城県に委託した涸沼代行干拓建設事業のうち締切堤とう工事費として、昭和23年度から25年度までの間に、6,493,945円(うち24年度以前の分703,945円)を支出したものがある。
 右工事は、湖沼の一部約20町歩を干拓するため締切堤とう延長1,192米(106,650立米)を築造するもので、25年度までに盛土55,997立米38を施行したものであるが、26年6月本院においてその実地を検査したところ、堤とう1,192米のうち350米が決壊していた。その原因は、盛土による土圧のため地盤泥土が両側に隆起し堤体が沈下していたところを風波により浸害されたものであつて、このような結果をきたしたのは本決壊箇所が試掘の結果泥土層であることが判明していたのに沈下を防ぐための十分な基礎工事を行うことなく盛土を施行したことに因るものである。ことに、同年1月から3月までの間に施行した盛土12,037立米(工事費981,015円)は堤体が沈下を始めたことを知りながら沈下防止の手段を講ずることなく盛土を続行したもので当を得ない。