(款)食糧管理費 (項)事業費
食糧庁で、需給及び加工計画にそごがあつたなどのため不必要な運送を実施したものが次のとおりある。
(615) 同庁で、昭和25年5月に、愛知食糧事務所から長野食糧事務所へ運送させた小麦粉600屯014の運送賃として711,760円を支出したものがあるが、右は、同年3月に同庁が愛知食糧事務所から長野食糧事務所へ小麦粉を運送する計画をたてたところ、長野食糧事務所で需給上支障があるとして同庁に搬入取消を申請していたのに、運送を実施したものであつて、長野食糧事務所ではその消化を図つたが、なお多量の滞貸を生じたため、そのうち398屯794を東京食糧事務所へ再運送し、その運送賃として472,569円を支払わなければならなくなつたものである。
(616) 同庁で、昭和25年11月から26年1月までの間に、栃木食糧事務所から群馬食糧事務所へ運送させた小麦1,866屯655の運送賃及びこれを加工の上群馬食糧事務所から東京食糧事務所へ運送させた小麦粉1,399屯992の運送賃として3,906,259円を支出したものがあるが、栃木食糧事務所管内製粉工場の加工能力には十分余裕があつたのであるから、右小麦を群馬食糧事務所で加工させることなく栃木食糧事務所で直接加工し、東京食糧事務所へ運送すれば高価な県外運送は1回で足り、県外運送と県内運送との運送賃差額約86万円を節減することができたものである。
(617)
同庁で、茨城食糧事務所が昭和25年9月及び10月に筑波郡小野川農業協同組合倉庫外231箇所から昭和産業株式会社赤塚工場外6箇所へ運送させた5等小麦43,193俵の運送賃として2,407,961円を支出したものがある。
右小麦は、品質粗悪のためすみやかに製粉する要があるとして産地倉庫から加工工場へ運送させたものであるが、同年9月19日付同庁から5等小麦は品質粗悪であるから原麦のまま農家還元用等に売り渡すようにとの通ちようがあつたため、26年3月から7月までの間に茨城県販売農業協同組合連合会外12名に原麦のまま飼料用等として売り渡したものである。この種規格の小麦は品質粗悪で、24年産のものについては規格外として購入せず25年産から5等麦と格付して購入したもので、その用途については前記通ちようがあるまでは何らの指示がなかつたものであるのに、指示を待たずに加工のため運送し、むだな運送賃を支払う結果をきたしたものである。