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  • 昭和25年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第4節 各所管別の不当事項及び是正事項|
  • 第7 農林省|
  • 不当事項|
  • (国有林野事業特別会計)|
  • その他

オガリツト製造工場の新設当を得ないもの


(620) オガリツト製造工場の新設当を得ないもの

(款)国有林野事業費 (項)管理費

 秋田、前橋両営林局で、昭和24年度及び25年度に工費7,969,341円(うち24年度分7,496,905円)をもつて、秋田県二ツ井及び栃木県奥日光にそれぞれオガリツト製造工場を施設したものがある。
 右は、終戦後ひつ迫した薪炭需給の緩和と森林資源の枯渇防止の一助として、おがくずを固形化し燃料として活用を図る目的で施設したものであるが、二ツ井工場は25年8月操業を開始したところ採算割れのため26年8月以降作業を休止しており、奥日光工場は25年3月完成したところ採算の見込みが立たないで全然生産に着手していない状況である。
 右工場設立計画当時においては、既に薪炭は滞貸し、政府は24年2月に薪及び木炭の買入を制限又は停止し、8月及び25年3月にはその需給調節をも廃止している状況で、右両工場に先んじて23年8月に操業した東京オガリツト工場の成績をよく調査すれば、オガリツトのような代用燃料が需要に適せずその製造事業の採算の見込みが立たないことは予見できたと認められるのに、本件工場を施設したのは当を得ない。