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  • 昭和25年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第4節 各所管別の不当事項及び是正事項|
  • 第9 運輸省|
  • 不当事項|
  • (一般会計)|
  • 工事

災害復旧工事の原形超過工事費等を全額国庫負担の対象としたため負担金の超過交付をきたしたもの


(661)−(668) 災害復旧工事の原形超過工事費等を全額国庫負担の対象としたため負担金の超過交付をきたしたもの

(部)公共事業費(款)災害復旧公共事業費(項)港湾災害復旧事業費 外1科目

 地方公共団体の維持管理する港湾の災害復旧工事に対する昭和25年度国庫負担金は、原形復旧工事費分は全額、又、原形復旧をこえる改良工事費分は超過工事として3分の2の取扱となつている。
 しかして、地方公共団体から運輸省には原形復旧工事分と改良工事分とを区分して工事目論見書を提出すべき取扱であるのに、この区分が明確でないものが提出され、運輸省でもそのまま工事目論見書の総体計画により当該年度の事業費を査定する場合があるため、これに基き府県が国の機関として地方公共団体に当該年度の事業費全額の国庫負担金を交付するときは自然超過工事に対しても全額国庫負担となることになるし、又、地方公共団体においては、原形復旧の工事目論見書を提出しながら、工事実施の際に復旧工事と改良工事とをあわせ施行する場合があるため、府県が全額負担として交付した国庫負担金が過渡となるもので、これらはいずれも工事費の精算に当つては一部を返納させなければならない事態である。本院会計実地検査の結果によれば、石積コンクリート張防波堤を方塊積としたもの、防波堤、捨石堤の延長を増加したもの、護岸法線を原形に比べ移動改良したものなどの超過工事又は災害復旧に関係のない工事に対し全額国庫負担金を交付した事例が左のとおりあつて、それぞれ注意を与えた。

府県名 工事 25年度事業費 同上に対する国庫負担金交付額 原形超過工事費 国庫負担超過交付額
(661) 神奈川県 真鶴港24年災害復旧 47,814,675 47,814,675 1,059,934 353,311
(662)   静岡〃 熱海港24年災害復旧 15,500,000 15,500,000 5,231,113 1,743,703
(663)   舞坂港24年災害復旧 7,850,000 7,850,000 397,998 132,666
(664)   新潟県 沢根港24年災害復旧 2,512,140 2,512,140 321,700 107,233
(665)   石川〃 七尾港23年災害護岸復旧 4,472,500 4,472,500 353,572 353,572
(666)   大阪府 堺港25年災害復旧 2,460,000 2,460,000 301,350 180,810
(667)   高知県 高知港地盤変動対策 4,769,620 4,769,620 2,080,752 693,584
(668)   高知港23年災害復旧 3,550,000 3,550,000 1,178,000 392,666
88,928,935 88,928,935 10,924,419 3,957,545

備考 石川県では原形超過工事費は全額災害復旧に関係がなく、又、大阪府では一部が関係ない。