(1) 外国郵袋を長期間にわたり退蔵しているもの
(679)
郵政省及び東京中央郵便局で、外国郵袋31,775個(時価約3100万円)を昭和20年以降退蔵していたが、簿外品となつていたためその在庫に気付かず、本省では年年別に新品を調達の上東京中央、横浜、名古屋中央、大阪中央、神戸中央、門司、博多7局の外国郵便取扱局に対し所要量を交付していた。
横浜郵便局で、26年7月本院会計実地検査当時外国あての通常郵便を取り扱つていないのに、外国あての通常郵袋を20年以降4,131個(時価約400万円)保有し、又、22年度に5,000個(時価約500万円)の交付を受け、ともにこれを簿外に退蔵していた。
(2) 外国郵袋の現品と帳簿面が符合しないもの
(680) 大阪中央郵便局で、昭和26年7月本院会計実地検査の際現品と郵袋出納日報面残高との間に不符合があり、過剰分が通常郵袋外4種5,621個(時価約500万円)、不足分が小包郵袋乙562個(時価約60万円)となつていた。
(3) 外国郵袋を過大に交付したもの
(681)
郵政省で、昭和25年度中に東京中央外5郵便局(注)
に対し外国郵袋41,355個(価額11,661,593円)を交付しているが、交付を受けた各局の26年3月分郵袋出納月報によれば、保有量は94,072個となつて月平均差立数の8倍から18倍に当つており、現に、大阪中央郵便局では25年9月及び12月に交付を受けた4,300個を26年7月本院会計実地検査当時に至るも、なおこん包のまま簿外品として保有している状況であつた。
(注)
東京中央、横浜、名古屋中央、大阪中央、神戸中央、博多各郵便局
(4) 外国郵袋を過大に調達したもの
(682)
同省で、昭和25年度中に生地10,977,713円のものを官給して南総繊維株式会社外4会社に外国郵袋32,147個の生産を請け負わせ、その代金として1,061,359円を支払つたものがある。
右は、前記のとおり退蔵品その他の簿外品に気付かず調達しているものであるが、仮にこの簿外保有量を計算外としても、同年度末の現業局及び本省在庫手持数は95,983個であつて、これから本件調達数を差し引いた63,836個は同年度首に保有していたものであり、これは常備保有量を18,900個(月平均差立数の4倍)と認めても、かれこれ2倍余過剰に保有していたこととなる。これを各種郵袋別に見れば左のとおり
品名 | 単位 | 25年度末保有量 | 25年度調達数 | 差引25年度首保有量 | 常備保有量 | 差引過剰数 (△調達必要数) |
書留郵袋 | 個 | 26,807 | 2,150 | 24,657 | 5,420 | 19,237 |
小包〃 | 〃 | 38,107 | 4,000 | 34,107 | 5,260 | 28,847 |
航空〃 | 〃 | 31,069 | 25,997 | 5,072 | 8,220 | △3,148 |
計 | 95,983 | 32,147 | 63,836 | 18,900 | 44,936 |
で,本年度においては航空郵袋約4,000個を調達すれば足り、その他の郵袋は全く調達の要はなかつたものと認められる。
(5) 内国郵袋を過大に交付したもの
(683)
同省で、昭和25年度中に各現業局に対し内国郵袋(長、白郵袋を除く。)235,321個(価額69,500,730円)を交付したものがある。
本件郵袋の同年度現業局必要手持数は1,136,198個(25年12月末運転数757,466個とこれに対する5割の予備数378,732個の合計数)あれば足りるものであるが、一方24年度末における現業局手持総数は1,461,705個であつて、これから25年度中の棄却数103,161個(実数)を差し引いてもなお過大保有となつているのに更に交付したことになるものである。
なお、これを各種郵袋別に見れば同年度では並郵袋乙並びに錠郵袋甲及び乙の合計約4万4000個を交付すれば足り、その他の郵袋約19万2000個(価額53,774,000円)は交付の要がなかつたものと認められる。
(6) 不急の内国郵袋を調達したもの
(684)
同省で、昭和25年度中に生地7,775,940円のものを官給して並郵袋甲12,000個の生産を賀川株式会社外2会社に請け負わせ、その代金として648,000円を支払つたものがある。
本品の同年度における需給計画上の新規交付必要数は約900個と見込まれていたものであるから、24年度末の在庫数38,799個のうちからこれを交付すれば足り、新たに調達する要は全くなかつたものである。