(753)
北海道電気通信局で、昭和25年6月株式会社田中組に金山電話中継所庁舎その他第1期新築工事を請け負わせ、その工事費として5,783,000円を支出したものがある。
本件は、同月起工し9月完成したものであるが、26年1月寒気のため機械室、電源室、電池室等の床コンクリート及び配線溝にき裂凍上を生じ、25年10月から施行中の局内装置工事の機器等の施設が障害を受け工事の施行が不能となつたため、26年3月115,000円で仮下水設置工事を、210,000円で電池台基礎その他凍害応急処置工事を、11月2,300,000円で排水溝新設その他本復旧工事をそれぞれ施行しなければならなくなつたものである。
本件庁舎用敷地の三方は隣地より平均50センチメートル程度低く、特に境界線に接している電源室、電池室附近は60センチメートル程度低く、地下水位もこの附近は地表下10センチメートル程度と測定され、この種庁舎の立地条件としては最も危険な状態であるのに、設計に当つて凍害に対する考慮を欠いて盛土工事を施行せず、基礎工事の施行、排水工事の設計に粗漏があつたものと認められる。
(754)
関東電気通信局建築部で、昭和26年2月根津建設株式会社に四谷電話局増築工事(鋼筋コンクリート造29坪22)を工事費1,756,800円で請け負わせ、3月末完成したものがある。
右工事のうち、木製窓取設工事3箇所約8坪5工事費約11万円は、設計を木製窓として建築許可の申請をしたところ、準防火地区であるので鉄製窓に設計変更することを条件として認可されたのであるが、これよりさき工事に着手し木製窓のまま工事を完成したもので、許可の条件に従つて直ちに工事の設計変更をすべき事態であつたのに、そのまま進ちよくさせたため木製窓取こわし工事費を含め、別途利用可能のガラス代を差し引き、約11万円が不経済な支出となつたものである。