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  • 昭和25年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第4節 各所管別の不当事項及び是正事項|
  • 第11 電気通信省|
  • 不当事項|
  • (電気通信事業特別会計)|
  • 役務

物品運送費が高価なもの


(765)−(768) 物品運送費が高価なもの

 電気通信省における物品運送契約は、昭和24年度約3億1800万円、25年度約2億3400万円に達していて、その多くのものは随意契約によつているが、契約価額の基本となつている予定価格の算出内容を見ると相当不経済な見積となつていて、そのおもな事例は次のとおりである。

(765)  電気通信省施設局資材部(昭和24年5月以前は逓信省資材局)で、24年度中に物品運送費として約1億3620万円を、又、関東電気通信資材部で契約し、関東電気通信局で25年1月から3月までの間に物品運送費として2753万9千余円を支出したものがある。
 右は、いずれも業者からの見積に対し、検討せずそのまま随意契約したため、運賃料金に関する統制額の適用を誤り、たとえば小口扱貨物の集配料の計算を荷車、リヤカーによらないで貨物自動車賃率によつたもの又は重量制とすべきものを専属制としたもの、貨車積卸料によるべきものを過大な上乗人夫賃を計上したもの等があつたため、施設局資材部の計算によつてもなお前者において約2600万円、後者において約440万円は高価に当つている。
 又、関東電気通信資材部で契約し、関東電気通信局で25年度に物品運送費として55,606,046円を支出したものがある。
 右のうち、16件契約金額5,645,181円のものについて見ると、これは24年度と全く同様な計算方法をもつて積算された予定価格5,712,237円に基いて随意契約されたもので、本院において検討した結果判明したものだけでも約120万円は高価に当つている。
 なお、本院の注意により26年度以降の分については是正された。

(766)  電気通信研究所で、昭和25年10月武蔵野新庁舎集中に伴う同所五反田本部及び神代、辻堂両分室からの貨物自動車による移転運送を株式会社逓信遠藤組外2会社に請け負わせ、総額7,679,000円を支出したものがある。
 右運送費は、貸切貨物自動車運賃率(昭和23年物価庁告示第343号)の重量制によつて予定価格を神代、五反田及び辻堂につき、それぞれ普通物品1台当り3,994円、4,640円、8,350円とし、又、重量物品1台当り7,160円、10,380円、14,960円として、自動車所要数1,170台と見込み総額7,900,600円として指名競争契約に付したものであるが、貨物の重量が詳細判明していなかつたもので所要台数が適当であるかどうかについての確認ができないばかりでなく、本件のように多量の移転荷物を短期間に運搬し、その運送区間も短距離で1日に1、2往復できる場合には同運賃率の専属制によつて実施するのが得策である。
 いま仮に、右の運送を専属制によつたものとし、貨物重量は同研究所の見込んだ台数1,170台がすべて満車するものとして4,680屯と算定し、これを五反田、神代の分は2往復、辻堂の分は1往復運送するものとして、所要台数を856台と計算し、又、運賃割増率、運送距離を同研究所の当初の積算のとおりとし、貨物積卸料及び移送料を通運事業運賃(昭和25年物価庁告示第120号)により計算すれば、総額約600万円となり、これを基本として契約したとすれば有利な結果を得たものと認められるものである。

(767)  同研究所で、昭和25年度中貨物自動車による物品の運送を逓信遠藤組外1会社に請け負わせ総額3,687,215円を支出したものがある。
 右は、業者からの見積に対し検討をせず、そのまま随意契約したため、運賃、料金に関する統制額の適用を誤り、満車でない場合には満車運賃の8割とすべきであるのに満車したものとしての運賃を計算し、貨物積卸運搬に要する経費は貨車積卸料及び20米以上の横持作業については移送料とすべきであるのに上乗人夫賃を計上し、支払う必要のない待時間料金を計算したものがあつたため、本院で検討した結果判明したものだけでも約57万円は高価に当つている。

(768)  電気通信省施設局建設部で、昭和25年5月から10月の間に、株式会社三朝組外1会社に各種工事材料の荷造及び運送を随意契約で請け負わせ、その代金として総額1,299,706円を支出したものがある。
 右のうち、412,140円は運送料金であるが、これについては走行キロメートル数及び積載重量が判明しているから重量制を適用することが得策であつて、重量制によつたものとすれば実車運賃83,541円、空車廻送料3,111円、積卸料32,865円計119,517円で足りるのに、すべて貨物自動車専属制による料金で見積り支払つているため著しく高価になつている。