(款)専売公社事業費 (項)たばこ事業費
(996)
日本専売公社で、昭和25年5月株式会社三条機械製作所外3会社から随意契約により製造たばこ(新生及びゴールデンバツト)20本包か詰用としてU字型包装機75台を単価1,293,000円で購入し、その代金として96,975,000円を支払つたものがある。
右は、製造たばこ工場の復旧計画に基き調達したものであるが、購入当時各工場における同種包装機のすえ付台数は317台で、このうち用途廃止の見込台数15台を差し引くとか働できる台数は302台となり、この台数をもつて包装できる能力を算定すれば、公社の標準としている1億5000万本(本機の1年1台当り能力1億9000万本から各工場ごとの予備台数2割1分を差し引いたもの)を採用しても453億本となり、一方、包装予定数量について見ると、25年度計画数量は409億5000万本であつて、これに要する包装機の所要台数は273台で、なお、これに包装増加量などを考慮して増備するもの2割を見込んでも合計328台で足りる計算である。
したがつて、75台のうち約50台については包装しなければならない製造たばこの数量が前記の2割増で見込んだ台数で処理できない程増加するかどうかのすう勢が明らかになつた際発注したとしても、製作所要期間は4、5箇月であるから十分対応できるものであり、結局、これだけの台数を25年度に一括購入しなければならない緊要性があつたものとはいい難い。
(997)
日本専売公社京都工場で、昭和26年3月中に大日本インキ製造株式会社外4会社から亜麻仁油41,745キログラムを9,764,431円で購入したものがある。
右は、本社が朝鮮動乱によつて亜麻仁油の原料である亜麻仁の輸入が困難になるとの見通しの下に、同工場所要のインキ原料を確保する必要があるとして3月に至り購入の指示をしたもので、その数量は約2年分の所要量である。
しかし、当時の亜麻仁の供給量を調査すると、25年12月ごろ品薄となつたことはあるが、26年2月までの間に約2万7000屯(亜麻仁油換算約920万キログラム)が輸入され、3月には既に製油業者はほとんど国外からの買付を中止しており、亜麻仁油の価格も下り気味であつた。
したがつて、本件購入は、需給の見通しについての検討が十分でなかつたばかりでなく、現に、その後本品を製造業者に支給することなく多量の各種インキを購入しているのであるから、結局不急の物品を購入したものと認められその処置当を得ない。