日本専売公社における倉庫は、まだその全需要を満たすに足りず、勢い寄託をしなくてはならない状況であるが、公社倉庫及び借入倉庫を利用すれば、なお保管経費を節約できる余地があると認められる事態が次のとおりある。
(款)専売公社事業費 (項)たばこ事業費
(999)
日本専売公社東京地方局及び本所出張所で、昭和25年6月下期から26年3月下期までの間に、渋沢倉庫株式会社に対し販売用製造たばこの保管料として1,722,475円を支払つたものがある。
右は、本所出張所における製造たばこ保管用の公社倉庫が不足であるため、同出張所で各月最低393木箱から最高3,973木箱を寄託したものであるが、一方、東京地方局所属の芝四国町所在製造たばこ保管用公社倉庫400坪の利用状況を見ると、貯蔵力12,000木箱であるのに対し、各半月最低3,357木箱から最高8,988木箱の貯蔵余力を有していた状況であるから、この倉庫を十分に利用したならば右保管料の全額は節約することができたものと認められる。
(1000)
同旭川出張所で、昭和25年度中に、日本通運株式会社旭川支店に対し製造たばこの保管料及び同移送料として884,821円を支払つたものがある。
右は、25年4月から26年3月までの間に、製造たばこ月当り最低80木箱から最高1,174木箱を旭川駅から直接公社倉庫又は借入倉庫に荷受けしないで、中継倉庫として日本通運株式会社の倉庫へ寄託しその保管料としての704,518円及びその寄託倉庫から公社倉庫又は借入倉庫に倉移しをしその移送料としての180,303円の合計額であるが、当時同出張所は、製造たばこ保管用倉庫として公社倉庫2棟延88坪の外に借入倉庫3棟延119坪75計207坪75を有しており、その収容力は最低2,045木箱程度であるから、同出張所の各月の実績在庫木箱数から見て、右中継倉庫を使用しないでも、公社倉庫と借入倉庫をもつて十分収容できた計算であり、したがつて前記保管料及び移送料884,821円の全額は節約することができたものと認められる。
(款)専売公社事業費 (項)塩事業費
(1001)
同尾道出張所で、25年6月下期から26年3月下期までの間に、三原市福田某に対し内地塩6,836屯の保管料として2,639,377円を支払つたものがある。
右は、高松地方局から6月72屯、7月6,144屯、8月620屯の回送を受けて寄託したものであるが、一方、受入当時における尾道出張所所属の公社倉庫及び借入倉庫の利用状況を見ると3,300屯から5,400屯の貯蔵余力があつたのであるから、同出張所における収納塩(月約1400屯)の貯蔵用を考慮しても、寄託したもののうち6月分の72屯及び7月分のうち2,000屯程度は、公社倉庫及び借入倉庫に収容できたものと認められ、したがつて、保管料において約93万円は節約することができたものである。