(款)専売公社事業費 (項)塩事業費
(1002)
日本専売公社札幌地方局で、昭和26年3月日本塩回送株式会社をして函館支局から大阪地方局及び同管内7箇所等へ仕向けて粉砕塩2,350屯を回送させ、その代金として4,606,930円を支払つたものがある。
右回送を受けた大阪地方局では、同年2月末現在で粉砕塩は5,065屯の在庫があつて、これは同局管内全体の3箇月分余の売渡数量に相当するものであるから、特に高価な回送費をかけて補充を受けるまでの緊要性はなかつたものと認められるが、仮に同局管内で粉砕塩の必要に迫られたとしても粉砕に適する輸入塩は神戸におけるものを含め同月末現在で11,429屯の在庫があつたものであり、これから他の管内に仕向けるべき回送未済の輸入塩1,320屯を差し引いても10,109屯があり、3月の原塩輸入見込量約2万2000屯を加えるときは3月中の回送払出数量18,214屯を差し引いても同月末輸入塩在庫量は約1万3000屯となる計算であるから、大阪で原塩を粉砕すれば足り、別に本件回送の必要はなかつたものである。
したがつて、大阪で粉砕し各所要地へ回送する所要回送費592,955円と前記回送費との差額4,013,975円は節減することができたものである。
(1003)
同高松地方局及び坂出支局で、昭和25年度中に、日本塩回送株式会社に塩の回送費として8,897,820円を支払つたものがある。
右は、本社からの回送命令により、25年6月及び7月に同地方局及び坂出支局から、札幌地方局管内の釧路外3箇所に内地包装塩3,760,320キログラムを回送した回送費であるが、
(1) 坂出から釧路へ回送した813,120キログラムは、汽船で室蘭又は小樽へ回送し、そこで陸揚げして釧路まで貨車輸送によつているが、釧路へ直送しそこで陸揚げしたならば、その回送費は前者2,003,450円に対し後者1,500,809円で足りた計算であり、又、前記回送と同日附命令で北見へ回送した201,600キログラムも、室蘭で陸揚げして北見まで貨車輸送によつているが、前記汽船に積み合わせ釧路陸揚げによれば、回送費は前者447,673円に対し後者427,804円で足りた計算である。
(2) 高松及び坂出から新帯広及び帯広へ回送した2,745,600キログラムは、前記同様室蘭又は小樽で陸揚げし、新帯広及び帯広まで貨車輸送によつているが、釧路陸揚げによれば、回送費は前者6,446,697円に対し後者5,867,106円で足りた計算である。
したがつて、回送計画が適切であつたならば、回送費において計1,102,101円を節約することができたものと認められる。