(款)専売公社事業費(項)塩事業費
日本専売公社で、外塩貿易株式会社外22会社に塩の輸入を委託して購入した1,436,472,911キログラム(昭和25年度539,054,485キログラム、26年度897,418,426キログラム)の代金として25年8月から26年8月までの間に9,190,435,036円(うち26年度の支払額7,336,322,405円)を支払つたものがある。
右購入代金は、公社が塩の代金に輸入関係諸費用を加算して支払つたものであるが、輸入関係諸費用のうち、銀行諸掛について本院で右受託者の銀行に対する支払実績のうち実費相当額を調査したところ、左のとおり公社で支払つたものをはるかに下回つている。
年度 | 公社の支払額 | 実費相当額 | 差額 |
円 | 円 | 円 | |
25 | 50,590,140 | 39,496,809 | 11,093,331 |
26 | 144,324,659 | 105,008,777 | 39,315,882 |
計 | 194,914,799 | 144,505,586 | 50,409,213 |
備考 実費相当額は銀行諸掛の実費を算出したもので、そのうちユーザンス貿易手形等の金利については、輸入手形が公社支払日前に到着した場合は支払日の翌日まで、支払日以後に到着した場合は同手形到着の日までの金利を査定して計算したものである。
このような開差を生ずるのは、公社が支払つた銀行諸掛分のうちには、信用状開設から公社の代金支払までの日数について、左のとおり
区分 | 決済勘定 | 輸入数量 | 公社の計算日数 | 実績平均日数 | 差引日数 |
近海塩 | 現金勘定 (エスクロー) |
千屯 67 |
日 96 |
日 110 |
日 △14 |
清算勘定 | 145 | 33 | 14 | 19 | |
遠海塩 | 現金勘定 | 1,169 | 111 | 70 | 41 |
清算勘定 | 49 | 51 | 20 | 31 | |
円貨払 | 6 | 金利関係なし | |||
計 | 1,436 |
備考 | (イ) | 実績平均日数は積数平均 |
(ロ) | 近海塩の現金勘定において実績日数が公社の見込日数より超過しているのは中共地区からの輸入によつたためである。 | |
(ハ) | 清算勘定は輸入手形到着から代金支払までの日数である。 |
実際所要以上の日数が見込まれ、これに基いて銀行金利が算出されたため、33,555,360円(うち26年度22,462,028円)だけ余分に含まれているのと、又、輸入物品の外貨代金決済方式が現金勘定による場合において、信用状開設から輸入手形到着までの金利が従前年利5%であつたものが、26年3月19日以降その半額の2%5になつた(外国為替銀行が外国為替管理委員会勘定に預入れを要するマージンマネーは従前信用状金額の100%相当であつたものが、50%に引き下げられた。)のに、従前のとおり年利5%で算出されたため2%5の金利相当額16,853,853円(26年度)だけ余分に含まれていることに因るものである。
前者の信用状開設から公社の代金支払までの所要日数の見込が実際の所要日数に比べ相当ゆるやかに過ぎたことは輸入実績を点検すれば判明することであるから、これによりすみやかに見込日数を適宜調整の上銀行諸掛を改算し、又、後者の金利半減は外国為替管理委員会の決定による公の取扱であるから、直ちに銀行諸掛を減算すべき事態であつたのに、当初の諸費用の算定のまま輸入代金を支払つていたのは処置ゆるやかに過ぎたものといわなければならない。