日本国有鉄道志免鉱業所で、昭和25年5月及び26年4月に、東京芝浦電気株式会社に対し4,000馬力空気圧縮機2台の修理工事の請負代金として2,937,300円(うち26年度で支払つたもの1,600,000円)を支払つたものがある。
同鉱業所では、坑内採炭及び通気の動力源として小型空気圧縮機13台計2,150馬力のものを使用していたが、別に遊休化していた旧海軍時代の空気圧縮機4,000馬力のもの2台をそれぞれ2,000馬力に改修の上予備機として使用する目的で前記改修工事を実施したものである。
しかし、13台の小型圧縮機の予備機としては、小型機1台をもつて足り、小型機ならば部内から保管転換を受けることができるし、たとえ新規に購入するとしても調達費は本件改修費よりはるかに少額にとどまり、又、小型機を予備機として使用すれば修理を行つて非能率となつた2,000馬力の大型圧縮機より電力費の点からも経済的であると認められ、ひつきよう本件改修工事は計画に当つてその検討が十分でなかつたといわざるを得ない。
なお、同鉱業所は空気管理を徹底し出力の必要量を低下したため、本件改修施設はほとんど使用していない状況である。