諸工事の施行に伴い発生した物品の貯蔵品への受入がされていなかつたり、工場副生品のは握が十分でなかつたため簿外品となつたり、又、実地たな卸に当り、当然判明すべき従前からの簿外品がそのままとなつていたなどのため、貯蔵品に計上されていないものが、左のとおり総額36,188,304円に上つている。
地方経理事務所 (決算箇所) |
過誤の内容 | 金額 | 処理の状況 |
盛岡 |
盛岡工場で鋼、鉄屑等を貯蔵品に受け入れていなかつたもの |
円 1,581,595 |
26年4月貯蔵品に繰入 |
秋田 | 土崎工場で特殊鋼20屯553及び銑鉄雑種25屯を簿外に保有していたもの | 358,539 | 26年6月及び8月〃 |
仙台 | 郡山工場で電動機11台を簿外に保有していたもの | 686,000 | 26年5月〃 |
新潟 | 諸工事により発生した物品を貯蔵品に受け入れていなかつたもの | 5,007,250 | 26年4月から9月までの間に〃 |
水戸 | 羽鳥、岩間間その他1箇所軌条更換外2工事に伴い発生した軌条等を貯蔵品に受け入れていなかつたもの | 8,899,062 | 26年5月〃 |
千葉 | 施設及び信号通信等の工事施行に伴い発生した物品を貯蔵品に受け入れていなかつたもの | 6,823,403 | 26年4月から6月までの間に貯蔵品に繰入 |
東京 | 上野保線区外1箇所で工事の施行に伴い発生した古軌条及び発動機等を貯蔵品に受け入れていなかつたもの | 412,435 | 26年9月及び10月〃 |
大阪 | 大阪保線区、福知山機関区等で工事の施行に伴い発生した軌条及び天井走行起重機等を貯蔵品に受け入れず、又、大阪地方資材事務所等で揮発油等を簿外に保有していたもの | 8,422,232 | 26年4月から9月までの間に〃 |
門司 | 小倉工場等で副生品及び貯蔵品を簿外に保有していたもの | 3,080,365 | |
熊本 | 熊本機関区等で石炭347屯509を薄外に保有していたもの | 917,423 |
右の外
(1) 貯蔵品について地方資材事務所における残高と地方経理事務所の計理額との間に年度中途において事由不明の差違をきたしているなどの事例があつて、責任箇所における貯蔵品のは握が十分でないものがあると認められる。
(2) 工場予備品の評価額は長期にわたり価額改訂を行つていないため著しく低価となつているばかりでなく、期末計上額と現品保有高とが符合していないものがある。
(3) 昭和25年度末における積送品のうち、35,239,220円は、24年度からの繰越分であつて、その大部分が保管転換に伴う事故によるか、あるいは発送又は受入に際し適切な処置を欠いたための過誤と認められるものであるが、25年度中にこれらの事由が判明しないままこれを26年度に繰り越していて、原因追求の処置がすみやかに講ぜられていないうらみがある。