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  • 昭和26年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第4節 各所管別の不当事項及び是正事項|
  • 第2 総理府|
  • (終戦処理関係の分)|
  • 是正させた事項|
  • 工事(44)(45)

工事費負担金の算定処置当を得ないもの


(44) 工事費負担金の算定処置当を得ないもの

 (一般会計) (部)終戦処理費 (款)終戦処理事業費 (項)終戦処理事業費

 札幌特別調達局で、昭和26年9月、北海道電力株式会社が施行した札幌変電所千歳第二基地変電所間66KV送電線路建設工事費に対する国の負担金として62,253,000円を支出したものがある。
 本件工事は、札幌千歳間41キロメートルの送電線を新設するもので、連合国軍の需要する予想最大電力を6,000KWとし、硬銅線7本より2ミリメートル6を架設するものとして、その工事費66,573,000円に対し電力供給者である前記会社の工事費負担金を変電設備1KWにつき400円、又、送電設備(木柱)1KWにつき320円の割合で総額4,320,000円と算定し、これを差し引き62,253,000円を国の負担分として支払つたものである。しかし、27年8月本院会計実地検査の際の調査によると、同会社は、将来の一般の需要増加を考慮し、総工費82,516,820円で硬銅線7本より3ミリメートル7を使用し、8,000KWの送電能力を有する工事を施行している。このような場合には公益事業令第39条に基き同会社が認可を受けて規定している同会社の工事費負担金規程により総工費を軍の需要と余裕の割合によりあん分し、需要に対する工事費を基礎として需要者の工事費負担金を算出すべきものであつて、いまこれによつて計算すれば、国が負担すべきものは57,567,615円で、4,685,384円は過払となるのに十分な調査もせず漫然支出したのは処置当を得ない。
 なお、右過払金に対しては本院の注意により27年12月全額を回収した。