租税及び徴税関係経費
本院会計検査の結果、徴税上において注意を要すると認められる点は、法人、個人の経理内容又は取引関係の調査の不徹底、課税資料の通報連絡又は活用の不十分、法令の適用誤りなどのため課税標準額の決定を誤つたり、源泉徴収所得税の納付に対する監査不十分などのため徴収すべきものを徴収せず又は徴収を遅延したものが多いこと、法人税に対する更正決定の処理が依然として遅延していること、徴収手続の過誤により徴収決定すべき金額を誤つたり、滞納税金に対する徴収処置が適切を欠いているものがあること、その他収税職員が税金等をほしいままに領得したものが多いことなどであつて、そのおもなものは別項に記載したとおりであるが、税務官署間及び署内各課係相互間の連絡を緊密にするとともに、担当職員の訓練になお一層の努力をする要があると認められる。
又、租税等の払もどし金に関する予算額が48億8千2百余万円あるのに対し4億9千2百余万円を不用額としているが、過誤納税金の払もどしが遅延して相当長期にわたるものもあり、なお多額の処理未済額がある状況で、納税思想に影響するばかりでなく、還付加算金の増加をきたすものであるから、一層処理促進を図るべきものと認められる。