(款)食糧管理費 (項)食糧買入費
食糧庁で、昭和26年5月から10月までの間に、全国栄養食工業協同組合から購入した幼児食Bゴルケツト542屯137(66,194梱)の代金として83,108,137円を支出したものがある。
右幼児食Bゴルケツトは、従来食糧配給公団が委託加工又は買取加工して販売してきたもので、同年4月、食糧配給機構の改革に伴い同公団の業務が停止され卸売販売業者扱となつたが、同業者がこのような製品を取り扱うことを好まないため、同協同組合さん下の加工業者は多量の副資材を持ちながら製造を継続することができなくなつたので、これを救済する必要があるとして、加工業者の手持砂糖に見合う小麦粉404屯62を16,922,576円で売り渡して本品を製造させた上、梱当り1,242円又は1,271円で買取の処置をとつたものである。しかし、本品は、卸売販売業者がその取扱を好まず、食糧配給公団においても25年度末現在167屯の多量を手持しおおむね品いたみをきたしていた状況であつたことを知りながら、加工業者救済のためとして本会計の負担においてこのような処置をとつたのは適当と認められないばかりでなく、その売さばき状況についてみても、27年10月までに正常価格(梱当り1,266円又は1,306円)で売り渡したものは167屯559(20,458梱)26,195,330円に過ぎず、長期保管のための品いたみにより202屯309(24,701梱)は買入価額の21%から59%、13,736,717円で売り渡し、残量172屯268は食糧不適格品となり、その評価額は当局者の計算によつても買入価額の平均45%、11,784,343円程度で、その間1,123,732円の保管料を支払い、結局、買入価額に比べ3,250余万円の採算損をきたしている状況であつてその処置著しく当を得ない。