(款)食糧管理費 (項)食糧買入費
食糧庁で、昭和26年8月、小泉製麻株式会社外2会社から購入したガンニー麻袋3,000,000枚の代金として870,000,000円を支出したものがある。
右は、27年におけるタイ米輸入確保のため必要があるものとして、27年買付見込数量450,000屯に要する麻袋4,500,000枚のうち1,5000,000枚は現地で調達することとし、3,000,000枚を前記会社から1枚当り290円で購入したものであるが、27年9月本院会計実地検査の際の調査によると、購入後全く使用することなく三井倉庫株式会社外4会社の倉庫に保管されていた状況である。しかし、麻袋は米の輸出側が手当するのを通例とし、輸入側においてこれを行うのは異例の事態であり、26年2月タイ米輸入に際し麻袋を日本側で調達するようタイ国政府から要求があつたのも、当時の一時的現象によりタイ国における麻袋の需給がひつ迫したためであつて、その際も、26年買付予定数量300,000屯のうち220,000屯に要する麻袋2,200,000枚を当初日本側において調達するよう要求があつたのに対し1,000,000枚を手当しただけで一応足りる見とおしが立つていたものであり、又、26年9月には、タイ国政府から積極的に麻袋付で輸出すべき旨の意思表示があつた状況で、同年8月本件購入当時には、同年5月購入した1,000,000枚を合わせ輸出用に充てられる新品1,664,200枚を保有し応急の需要に充てることができたものであるから、本件のような多量購入をする場合には、これらの事情を十分調査した上で新規購入を行うべきものと認められるのに、前記のように一時に多量を購入し全く使用するに至らなかつたのは、タイ米輸入確保のためにとられた事情は了とするが、その処置が当を得たものとは認められない。
なお、本件は、契約上納入を中止させることができる条項があるのに、26年9月、タイ国政府から麻袋付輸出をする旨の意思表示のあつた後も適宜の処置をとらないで3,000,000枚の全部を納入させ、うち2,120,000枚は27年1月から3月までの間に納入させたもので、結局、その保管料として27年9月までに25,381,653円(月当り約300万円)を支払つている状況である。