(一般会計) (部)公共事業費 (款)一般公共事業費 (項)土地改良事業費 外1科目
熊本農地事務局で、昭和26年度中に、農業土木直轄工事の施行に当り過大な設計をしたため多額の支払をしたもの及び工事が粗漏となつているものが次のとおりあるが、いずれも厳重に注意したところ、是正の処置をとつた。
(797)
熊本農地事務局で、昭和26年8月及び11月、随意契約により大成建設株式会社に請け負わせた嘉瀬川農業水利事業ケーブルクレーン設備外4工事の代金として47,429,000円を支出したものがある。
右は、ケーブルクレーン移動塔、骨材貯蔵所、引出暗きよ、コンクリート運搬軌道、えん堤床掘及びえん堤左岸床掘各工事の軟岩掘さく19,786立米、硬岩掘さく14,917立米等を実施するもので、いずれもダイナマイトを使用して掘さくすることとしているが27年8月本院会計実地検査の際の調査によると、右軟岩のうち11,892立米は真砂土でダイナマイトの使用を必要としないものであり、又、ダイナマイトの使用を必要とする掘さく土22,760立米については、火薬類の使用量が過大に失しているばかりでなく、その価格も卸売価格で積算すべきところを小売価格で積算したため総額6,170,800円が高価となつていたので注意したところ、27年12月、27年度支払額から同額を減額する旨の回答があつた。
(798)
熊本農地事務局で、昭和26年7月、米沢某に請け負わせた霧島開拓建設事業第1号幹線道路工事の代金として1,795,000円を支出したものがある。
右工事は、幅員5米、延長985米の開拓地区内幹線道路を新設するもので、26年7月着工し、27年3月設計どおり完成したものとして代金の全額を支払つたものであるが、27年6月本院会計実地検査の際の調査によると、そのうち側溝延長794米その工費168,129円は、3面を混合比1:3:6のコンクリートでほ装することとなつているのに、砂、砂利の約4割は白砂(しらす)で代用したため側溝全体がぜい弱となり、ほ装の効果が認められない状況であつたので注意したところ、27年9月手直しした旨の回答があつた。