郵政省で、昭和26年5月及び6月、岡村印刷工業株式会社外1会社に対し、中質紙B本80听1,772連、価額10,490,240円のものを官給して保険契約現存確認調査票55,000,000枚の加工を請け負わせ、その代金として1,208,405円を支払つたものがある。
右は、戦時中の事務簡素化及び戦災等により不明確となつた簡易生命保険契約の現存状況を確認するための調査用紙であるが、この調査票は郵便局及び地方簡易保険局で記入作製するもので、その作製の対象となるものは、26年3月31日以前に契約の効力が発生し、同年7月1日現在において保険料払込中のもの、払込完了等によりその払込を要しないものなど現に存する個々の契約であつて、その件数は、各郵政局からの保険契約維持状況報告書等により約4,000万件であることが判明していたものであるから、本件調達に当つては、これに1割の予備数を見込み約4,400万枚を調達すれば足りたものと認められるのに、同省では、事実上既に消滅しているもの又は戦災により不明となつた契約が未整理のまま現存しているものとして取り扱われている簡易保険局調査の保険契約申込書数約5,700万件(25年12月末現在)及び統計上の契約件数約5,400万件(26年1月末現在)を引合にして、算出根拠となる前記維持状況報告書等により判明している本品使用の対象件数と離れて55,000,000枚を調達したため、約1,100万枚(工賃約24万円、原紙代約210万円)の過大調達となつたものである。
現に、各郵便局及び各地方簡易保険局で作製した保険契約現存確認調査票は調査のほぼ完了した27年9月末現在において約3,900万枚に過ぎない状況である。