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  • 昭和26年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第4節 各所管別の不当事項及び是正事項|
  • 第11 電気通信省|
  • 不当事項|
  • (電気通信事業特別会計)|
  • 物件

試験成績の十分でないものを注文購入したため不経済となつたもの


(916) 試験成績の十分でないものを注文購入したため不経済となつたもの

 電気通信省施設局資材部で、昭和26年7月、株式会社岡野コード製作所から送受器1号3心ひも(より合せ線心のもの)40,400本を7,393,200円で購入して各地方電気通信資材部に配付したものがある。

 右は、同施設局資材部で、25年11月から26年3月までの間に、富士通信機製造株式会社外3会社から購入した4号型卓上電話機43,460個(価額188,071,230円)の送受器ひもをすべて並列線心としたところ、加入者にこれらの電話機を取り付けた後間もなく送受器ひもの断線障害が続出して使用に耐えない状況なので、これを修繕するために購入、配付したものであつて、これにより、当時各地方電気通信資材部配給局に在庫していた前記電話機のうち8,323個のものを26年7月から12月までの間に1,639,631円(ひも代を除く。)で取替修繕した外、残余の加入者等の電話機についても各電気通信管理所で取替修繕させることとしたものである。

 右並列線心の送受器ひもは新方式のもので、電気通信研究所で25年8月、初めて試作させたばかりで正視の仕様も決定しなかつたもので、その性能についてはまだ十分な検討が完了しなかつたのに、多量に注文しこれを使用した電話機を購入したため前記のように多額の修繕費を要する結果をきたしたもので処置当を得ない。