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  • 昭和26年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第4節 各所管別の不当事項及び是正事項|
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機械の管理等の処置当を得ないもの


(974)−(981) 機械の管理等の処置当を得ないもの

 建設省において、河川、道路の改修、災害復旧等の工事をすみやかに、且つ、経済的に施行するため、ブルドーザー、ドラツグライン、パワーシヨベル等重建設機械による機械化施工を推進する目的をもつて、昭和23年度から26年度までに建設機械整備費27億3千9百余万円を支出して1千1百余台の機械を購入し、河川、道路等の事業費で購入したものを合わせ26年度末現在総数約7,300台に上る重建設機械を保有し、各地方建設局に在来の工作事務所の外機械整備事務所を設置し、その運営の完遂を企図するとともに、その一部を地方公共団体等の工事に貸し付けてきたが、購入、配置等の計画と機械の取扱に慎重を欠いたと認められるものがあつたことなどによりまだ十分に効果を発揮していないものが少くない。本院においては、27年9月東北外3地方建設局管下11事務所の実地について特にこれも建設機械の管理に関し検査を施行したところ、その処置当を得ないものがあり、おもな事例をあげると次のとおりである。

(1) 機械の管理当を得ないもの

(974)  東北地方建設局馬渕川工事事務所で、昭和25年7月から26年3月までの間に、同局塩釜工作事務所に723,925円をもつて直営製作させたターレツトエキスカベーター1台は、当初固定式のスラツクケーブルエキスカベーターを製作させたところ、性能不良のため移動式のターレツトエキスカベーターに改造させたものであるが、その完成した26年3月には同機械を使用する予定の工事が既に終了していたため、組立もしないで保管し、27年2月前記工作事務所に返送したものである。しかし、本件機械は性能不良で改造を加えなければ使用不可能のため放置されている。

(975)  関東地方建設局で、昭和26年12月及び27年3月、日本通運株式会社佐原支店に3,155,959円をもつて電動ポンプ式しゆんせつ船及び同発電機等附属設備の解体と川内、小見間の輸送をさせたものがある。
 右しゆんせつ船は、九州地方建設局遠賀川工事事務所の要求により、建設省で24年3月東京都渡辺製鋼株式会社から7,000,000円をもつて購入したものであるが、同事務所では蒸汽式を要求したのに電動式が購入されたためその配付を辞退したので、当初の予定を変更し、8月1,855,432円をもつて同局川内川工事事務所へ輸送したところ、同事務所にむいてはしゆんせつ船による掘さく工事を予定していなかつたため試運転を実施しただけで、26年12月更に前記多額の解体輸送費を使用し、関東地方建設局利根川下流工事事務所へ所属替するに至つたものである。

(976)  関東地方建設局利根川下流工事事務所で、昭和24年4月から7月までの間に、同局船橋工作事務所に270,409円をもつて修理等を実施させたスチームシヨベル1台は、同年4月江戸川工事事務所から借り受けたものであるが、具体的使用計画もなかつたのに修理等を行わせたもので、修理完了後組立もしないで放置し、結局、不用品として処分することとしている。

(977)  関東地方建設局利根川下流工事事務所で、昭和21年4月から25年3月までの間に、同局荒川工作事務所に199,253円をもつて直営製作させた6屯蒸汽機関車1台は、利根川下流の工事現場が運搬線のこう配強く、附近家屋の状況により石炭を使用することが不適当であつたのに製作させたものであるばかりでなく、他の使用可能な工事現場へ配置換えもしないで完成以来全くか働することなく現場に放置され、衰損の結果不用品として処分することとしている。

(978)  中部地方建設局で、昭和26年8月、親不知国道補修工事に使用する目的で、建設自動車興業株式会社に294,645円をもつて修理させたけん引車1台は、旧式で現在製作されていないため、その部品も市場になく、使用部分の修理がほとんど不可能であつたことは明らかなものと認められ、レバー及び下部転輪軸磨耗等の部分はそのままであるため故障が続発し、全く使用不可能の状況で、結局、不用品として処分するに至つている。

(979)  九州地方建設局及び同局五ケ瀬川工事事務所で、昭和26年7月から9月までの間に、株式会社岩本商行外1名から延岡市中州船倉地先五ケ瀬川筋低水分流工の水中床掘工事用として、872,500円をもつて購入したドラツグスクレーバー2台及び附属器材は、工事現場が砂利層でその使用に適しないのにこれを購入したもので、結局、設計土量18,000立米に対しようやく5,949立米を掘さくしたにとどまり、残土量を請負に付して工事を完成しており、本件機械は使用中止後現場に放置されている。

(2) 機械貸付料の徴収処置当を得ないもの

(980)  建設省で、昭和26年6月から27年3月までの間に、関東構築株式会社に貸し付けたモーターグレーダー2台について延208日分の貸付料として430,276円を収納しているが、右機械の貸付期間は延798日であり、その実際か働日数は308日であるから、右徴収額は少額に過ぎるものと認め注意したところ、100日分の貸付料相当額206,900円を追徴することとした。

(981)  建設省で、建設機械貸付料の徴収処置が緩慢に失したため、昭和27年9月現在まだ収納に至らないものが22年度分20,880円、23年度分152,652円、24年度分1,104,723円、25年度分900,446円、26年度分3,341,909,円計5,520,610円に上つているので注意したところ、27年11月末までに24年度分243,294円、25年度分28,160円、26年度分889,858円計1,161,412円を収納した。