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  • 昭和26年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第4節 各所管別の不当事項及び是正事項|
  • 第13 建設省|
  • 不当事項|
  • (一般会計)|
  • 物件

物品の調達に当り処置当を得ないもの


(982)−(984) 物品の調達に当り処置当を得ないもの

(部)公共事業費 (款)一般公共事業費 (項)河川事業費 外一科目

 東北外2地方建設局において、昭和26年度中に、物品を調達するに当り不急品を多量に購入したもの及び高価な再生加工をしたものが次のとおりある。

(1) 必要以上に多量の物品を購入したもの

(982)  東北地方建設局岩木川工事事務所で、昭和26年3月及び4月、三福商事株式会社から購入した丸鋼3,410本価額3,593,700(うち25年度において支払つた分2,949,264円)は、三好排水ひ門新設工事の材料として購入したものであるが、その後設計断面につき排水計画等を再検討の結果、当初設計の構造を変更し、その断面を縮少することとしたため右丸鋼のうち1,868本が不用となり、うち243本は他の工事事務所に保管転換したが、残余の1,625本価額1,856,839円はそのまま残材となつている。
 しかし、本工事については、特に25年12月、施行認可の条件として申請設計の構造断面を再検討の上施行すべきことを指示されたにかかわらず、当初の設計の構造断面を基準としてこれに要する丸鋼の全量を購入したものであるが、本件は特に複雑な工事でもなく、右指示を受けた後すみやかに十分な検討を行い購入量を決定したとすればこのような多量の残材を生じなかつたものと認められる。
 なお、同事務所においては右丸鋼を多量に購入したため予算に不足をきたし、他工事の年間実施計画を縮少しなければならない結果をきたしている。

(983)  九州地方建設局山国川工事事務所で、昭和26年度中に、池永石油店から購入した山国川改修工事用揮発油12,280立、軽油30,600立の代金として975,644円を支払つているが、右は、前年度からの繰越として揮発油14,788立、軽油25,390立の多量を保有していたにかかわらず、これを考慮することなく年度内所要見込量の全量を購入し、そのまま同石油店に保管させていたもので、結局、26年度末において揮発油15,334立、軽油32,921立を翌年度に繰り越している状況である。

(2) 不経済な再生加工をしたもの

(984)  中部地方建設局で、昭和26年8月、中部石油加工株式会社に廃油の再生加工を請け負わせ、その代金として320,467円を支出しているが、右は、岡崎外1工事事務所で21年度から23年度までの間に購入した重油の残量34,705立が不良となり燃料に使用することができないものとして、これをモビール油5,000立、軽油2,262立に再生させた加工料である。
 しかし、右重油は、燃料には適しなかつたとしても、他の工事事務所における例に徴し土運車等の車軸油その他に利用することができたもので、そのまま適当に処分すべきものと認められるばかりでなく、当時のモビール油の販売価格は立当り54円、軽油は立当り17円60程度であつたから、本件再生加工料を下回る約31万円をもつて前記再生製品の全量を購入することができたものと認められる。