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  • 昭和26年度|
  • 第2章 国の会計

会計事務職員に対する懲戒処分の要求


第5節 会計事務職員に対する懲戒処分の要求

 昭和27年1月から12月までの間に、予算執行職員等の責任に関する法律(昭和25年法律第172号)第6条第1項の規定により、予算執行職員の任命権者に対し懲戒処分を要求したものは、電気通信省施設局建設部関係で工事費の経理についての不当事項があつた4件で、それぞれ関係責任者の2箇月間本俸10分の1の減給の処分を適当と認め、27年3月電気通信大臣に対し懲戒処分を要求したが、電気通信大臣は、うち1件については、免職の処分をとつたが、他の3件については、処分前に日本国との平和条約の効力発生に伴う国家公務員等の懲戒免除に関する政令(昭和27年政令第130号)の施行をみたので懲戒処分に至らなかつたものである。

 右の免職処分のとられた案件の概要は、同省施設局建設部資金前渡官吏大橋某が、25年6月から26年3月までの間に、出納官吏事務規程第38条の規定に違反し、工事用物品購入費等に付掛した額、架空の人夫賃から所得税を控除した額及び架空連越人夫宿泊料計11,969,426円に別途部外折衝費として本部から受け入れた152,000円並びに工事長及び大橋資金前渡官吏が負担した865円50を合わせ合計12,122,291円50を現場職員慰労費、部外折衝費等に使用したものである。

 なお、右4件以外にも懲戒処分を要求すべき事案として審理中のものもあつたが、前記政令の施行により懲戒免除となるので、処分要求の手続をとるに至らなかつた。