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  • 昭和26年度|
  • 第3章 政府関係機関の会計|
  • 第2節 各政府関係機関別の不当事項及び是正事項|
  • 第2 日本国有鉄道|
  • 不当事項|
  • 物件

物品の経理が著しくびん乱しているもの


(1185) 物品の経理が著しくびん乱しているもの

 日本国有鉄道東京地方資材事務所大宮工場用品庫の物品の経理について、昭和27年8月本院会計実地検査の際の調査によると、木材及び地金の経理はきわめて不良で、このような事態を招いたのは主として従前からの用品庫職員の事務の不慣れや乱雑な物品の経理に基因して生じた現品の過不足をこ塗する目的等で、不当な物品経理を行つていたことに因るものと認められ、そのうち判明したおもなものは次のとおりである。

(1) 工場側から用品庫に提出された貯蔵品引渡兼使用報告書の数量、金額を改ざんしているものが約320万円(正当金額より払出金額が多いもの約190万円、正当金額より払出金額が少いもの約130万円)ある。

(2) 実際工場側に引き渡した現品とは異なつた品名口座から払出整理をしていて、現品の払出と出納簿面の払出とが一致していないものが約7,170万円(正当金額より払出全額が多いもの約3,310万円、正当金額より払出金額が少いもの約3,860万円)ある。

(3) 出納簿に登記されていない帳簿外物品を無代価で工場側に引き渡しているものが約80万円ある。

(4) この外、地金類の単位重量の算定がはなはだあいまいな結果、本数、枚数等の数量と出納簿面上の重量との間に差を生じたり、又、物件一般について、その取得、発生受、き損亡失払の処理を怠つているものがある。
 なお、右については関東地方資材部でその後たな卸の上処理した。