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  • 昭和27年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第4節 各所管別の不当事項および是正事項|
  • 第4 法務省|
  • 不当事項|
  • (一般会計)|
  • 租税

登録税の賦課当を得ないもの


(42)−(43)登録税の賦課当を得ないもの

(部)租税及印紙収入 (款)印紙収入 (項)印紙収入

42 ) 東京法務局で、昭和27年4月から28年3月までの間に、新造船昌島丸ほか21件の所有権保存登記にあたり、その船舶の課税標準価格を計7,971,699,350円と認定し登録税31,886,797円を、また、大阪法務局で、27年4月および8月に、新造船はわい丸ほか1件の所有権保存登記にあたり、その船舶の課税標準価格を計1,067,721,950円と認定し登録税4,270,887円を徴収しているが、右課税標準価格は新造船としては低価と認められる。

 右の船舶評価基準については、26年10月法務府民事局長から通知されており、右評価基準により算出した船価と実際船価とを比較すると実際船価よりも4割程度低価な評価基準であるが、東京法務局においては、同評価基準よりも1割程度低い船舶登記課税標準価格認定基準を定め、これにより算出した価格15,943,398,700円から5割を減じた7,971,699,350円を課税標準価格とし、また、大阪法務局においては一応前記民事局長から通知された評価基準によっているが、同基準によれば、機関部価格は双暗車船の場合はその価格に2割加算し、その船価は2,165,103,950円となるのに、これを加算しないで算出した価格1,977,103,950円から約5割を減じた1,067,721,950円を課税標準価格としたもので当を得ない。
 なお、神戸地方法務局においては、27年4月から11月までは前記法務府民事局長から通知された評価基準により、12月以降は右基準より1割程度高い基準をもって課税標準価格を認定しているものであって、法務局間の評価基準に差異があり課税の均衡を失している。

43 ) 東京法務局芝出張所で、昭和27年5月、東京都港区麻布北日ヶ窪町所在宅地2,978坪および建物115坪の所有権移転登記にあたり、その課税標準価格を7,500,974円と認定し登録税375,048円を大日本果汁株式会社から徴収しているが、その不動産登記課税標準価格は低価であったため右登録税も著しく低額となっている。

 右不動産は、最高裁判所が25年5月および7月報国水産株式会社から7,500,974円で購入し、26年12月にその評価額を12,549,000円として聖公会神学院所有の東京都文京区所在の不動産と交換したものであるが、同神学院はこれを更に大日本果汁株式会社に売却したもので、その所有権移転登記については中間省略の手続により最高裁判所から直接に右会社の名義に変更の手続を執ったものである。しかして、その課税標準価格は申請時の価格によって決定されるべきものであるのに国有財産台帳登載価額の、7,500,974円によったもので、東京法務局が同出張所に対し27年2月から施行するよう通達した不動産登記課税標準によって計算した課税標準価格13,810,570円(登録税690,528円)に比べても本件登録税は著しく低価となっている。
 右のような事態を生じたのは、最高裁判所が本件登記の嘱託書を芝出張所に提出するに際し、不動産価格として右国有財産台帳登載価額を表示しており、同出張所がこの事実を知っていたと認められるのにこれを課税標準価格としたためである。