ページトップ
  • 昭和27年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第4節 各所管別の不当事項および是正事項|
  • 第4 法務省|
  • 不当事項|
  • (一般会計)|
  • その他

作業計画にあたり処置当を得ないもの


(56) 作業計画にあたり処置当を得ないもの

 長野刑務所で、長野県須坂町に新設予定の刑務所敷地に、昭和26年12月から28年3月までの間に、油脂抽出工場付帯建物等222坪(国有財産台帳価額8,223,044円)を直営で建設したが、油脂抽出作業が実施されないため遊休のままとなっているものがある。

 右建物は、さなぎ等を化学操作のうえ石けん材料等として抽油するよう設計され、中央部を軒高10メートルの鉄筋造りとしていて、刑務作業の工場としては他に転用困難な特殊構造のものである。

 このような特殊な新規工場は、作業計画の実施についてその成果を十分見とおしのうえ建設すべきであるのに、さなぎ油は石けん材料としては適当でなく、一般にもほとんど生産されていない状況にあった26年12月に、外へい工事と併行して急拠本件工事に着手していて、作業計画の検討不十分といわざるを得ない。