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  • 昭和27年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第4節 各所管別の不当事項および是正事項

農林省


第9 農林省

(1) 食糧管理特別会計

 昭和28年においては、売渡代金の徴収処置、原材料用および配給不適格食糧の売渡、外国食糧および包装材料の購入、食糧の集荷、運送、保管等の管理費ならびに現品の受払整理等に会計検査の重点を置き、食糧庁および37食糧事務所についてその実地を検査したが、その結果、別項に記載したとおり、食糧の売渡にあたり処置当を得ないものが2件(1495,1496 )外国食糧の購入にあたり粗悪品を買い付けたものなどが4件(14971500 )、食糧集荷奨励金の支払方法が当を得なかったものが1件(1503 )、輸送にあたり不経済な運送をしたものが3件(1504−1506 )、食糧の管理にあたり当を得なかったものが1件(1502 )、不急の麻袋を購入したものが1件(1501 )計12件ある。
 外国食糧の輸入については、その購入処置が当を得なかったため多額の値引をして原材料用に売り渡さなければならなくなったものなどが別項に記載したとおり3件(1497−1499 )あるが、主要食糧確保のため諸般の事情があることは了とするも、このように多額の損失をきたすことのないよう今後一段の留意を要するものと認められる。

(2) 国有林野事業特別会計

 本院においては前年に引き続き立木および林野加工品の処分に会計検査の重点を置き、あわせて国有林野の売渡状況に注意して実施したところ、素材の随意契約による処分は総処分量に対し63%に当り、前年度の61%に対し幾分上回っているが、これは利用分野未開拓のぶな材等を増産し随意契約で処分したことに因るものであって、このようなものを除けば特売数量は漸減している状況である。
 林産物および国有林地の処分については、まくら木の調達および処分が適切でなかったもの、国有林野整備臨時措置法(昭和26年法律第247号)による売渡にあたり同法所定の整備事由に該当しないものを売り渡したり、用材として利用することができるものを低価な薪炭材として売り渡したものなどが別項に記載したとおり4件(1507−1510 )ある。
 なお、昭和27年度事業損益計算において、過年度に更新済となっている林地のうち、成績不良の箇所に対し27年度中に改植等を行った面積15,406ヘクタールの造林費376,834,023円は、損費に計上すべきであるのにこれをしていなかったので注意して是正させた。