(項)食糧買入費
食糧庁で、昭和27年4月、日綿実業株式会社ほか7会社からイラク大麦85,466トンを3,480,714,256円で購入しているが、高価であるばかりでなく品質が粗悪なため主食用として売行不良で飼料等に売り渡したが、28年3月末現在66,181トンが在庫となっていて著しく不経済な結果をきたしている。
右イラク大麦は、他国産の大麦がトン当り平均31,000円から38,000円程度であるのに対し、38,773円から42,723円平均40,726円で購入したものであるが、品質が粗悪なため他の輸入大麦に比べて特に低価に売渡価額を定めたが、なお売行がはなはだ不良で、主食用として8,044トンをトン当り22,750円から23,890円総額184,568,093円で、飼料用として1,593トンをトン当り19,100円から23,170円総額30,644,959円で、また、輸出用精麦原料等として5,347トンをトン当り29,443円から30,171円総額159,332,686円で、買入価額計599,525,343円から224,979,604円を値引して売り渡し、ほかに4,297トンを精麦加工のため払い出しただけで、28年3月末現在なお66,181トンが在庫となっていてこの間83,631,089円の保管料を支払っている。
しかして、イラク大麦は、26年度において29,700トンを購入したが、品質粗悪なため加工が困難で、その大部分を27年度に持ち越し、27年度において主食用として3,852トンを売り渡し、196トンを加工しただけで、飼料用として21,457トン、原材料用として247トンを売り渡し、なお758トンが在庫となっている状況であるばかりでなく、イラク産の大麦は一般にブラック・バーレーが多く土砂等も混入し、主食用として不適当であることは購入当時既に判明していたのであるのに重ねてこのような食糧不適品を購入したのは、たとえ食糧取得の必要その他の事情があったとしても適切な処置とは認められない。