ページトップ
  • 昭和27年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第4節 各所管別の不当事項および是正事項|
  • 第9 農林省|
  • 不当事項|
  • (国有林野事業特別会計)|
  • 物件

まくら木の調達および処分が適切でなかったもの


(1510) まくら木の調達および処分が適切でなかったもの

 (項)伐木造林事業費

 札幌営林局で、昭和27年5月、指名競争により岩神産業有限会社から森林鉄道用くりまくら木10,300丁を2,678,000円で購入しているが、前橋営林局から保管転換を受けることができる事態があったと認められるのに同局の処置当を得なかったため約70万円不経済となっている。

 右は、札幌営林局が直轄施行の林道工事に使用するくりまくら木を調達するため、同年4月、前橋営林局において直営生産したくりまくら木の手持状況および保管転換の可否について調査したところ、その手持品は自局署の軌道用材として必要なものを除き販路開拓の目的で処分計画済の旨の報告があったので、改めて5月、前橋営林局のあっせんによる業者のうち前記会社と1丁当り運賃諸掛等を含め260円で売買契約を締結し、6月から8月までの間に、札幌営林局管内で納入を受けたものである。しかし、4月当時前橋営林局においては、くりまくら木新規販路開拓の計画はあったが現品はまだ処分していなかったものであるから、札幌営林局に対し直接保管転換等の処置を講ずベきであったと認められるのに、販路開拓を行うものとして、4月から7月までの間に管内営林署から同会社に14,510丁を随意契約により1丁当り平均118円94で特売したもので、他方、札幌営林局においては、同会社から1丁当り260円の高価で購入することとなったものである。

 いま、仮に関係部局間の連絡よろしきを得て前記会社から購入することなく直接保管転換等の処置を執ったとすれば、運賃諸掛分の負担増1丁当り約70円を考慮しても総額約70万円は節減することができたこととなる。