工業技術院地質調査所および同北海道ほか2支所(注) で、旅費を架空に支出して庁舎等の土地、建物を購入し、かつ、これを売り渡した代金等を予算外に経理していたものが次のとおりある。
(1) 工業技術院地質調査所および同北海道支所で、昭和23年10月から24年1月までの間に、架空の旅費の名義により1,010,241円を支出し、うち1,000,000円を23年10月予算外に北海道支所職員宿舎用として購入した札幌市大通所在木造2階建延61.25坪の代金に充て、10,241円をその雑費に使用した。
(2) 工業技術院地質調査所で、24年5月から8月までの間に、架空の旅費の名義により509,671円を支出し、これを別途資金として保有し、うち200,000円と社団法人東京地学協会に負担させた50,000円とを合わせ計250,000円で24年7月仙台支所庁舎用として仙台市原ノ町所在木造平家建47.73坪および付属倉庫24坪を購入し、これを同協会名義で保存登記し、その後、仙台支所で同協会に対し25年4月から26年7月までの賃借料として25、26両年度庁費から38,244円を支払ったが、26年8月同支所が他に移転したため、27年3月右庁舎を360,000円で、また、28年5月右倉庫を90,000円で売り渡し、その代金については、庁舎分は全額、倉庫分は30,000円計390,000円を同地質調査所で受領し、残額60,000円は29年10月末までに受領することとしている。
(3) 工業技術院地質調査所で、前記((2))旅費の名義による架空支出額509,671円の使用残額309,671円と、別に職員から旅費の一部を拠出させた328円とを合わせ計310,000円で、24年9月福岡支所職員宿舎として福岡県筑紫郡大野村所在木造2階建延27坪および土地100坪を購入し、27年3月同支所が廃止されたのに伴い不用となったので、5月300,000円でこれを売り渡した。
(4) 工業技術院地質調査所および同北海道ほか2支所(注) で、前記((2)、(3))仙台、福岡両支所が土地、建物の売渡により受領した690,000円および3支所の宿舎貸付料として職員から徴収した184,423円をそれぞれ別途に経理し、24年12月から28年9月までの間に、218,866円を宿舎関係経費に、149,487円を会議費、交際費に、111,144円をその他に使用し、残額394,925円を銀行預金および現金で保有していた。
(注) 工業技術院地質調査所北海道、仙台、福岡各支所