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  • 昭和27年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第4節 各所管別の不当事項および是正事項|
  • 第11 運輸省|
  • 不当事項|
  • (一般会計)|
  • 予算経理

経理のびん乱しているもの


(1517)−(1519) 経理のびん乱しているもの

 第一管区海上保安本部ほか13箇所で、正規の経理をすることなく架空の修繕費、職員旅費等の名義により資金をねん出し、職員宿舎等を新築または購入してこれを他人名義とし、その一部は財務局に公務員宿舎として賃借契約をさせ、同局から支払われた賃借料および居住者から徴収した宿舎料を予算外に別途経理したり、架空の船員旅費等の名義により支払に立て、これを職員旅費、会議費等に使用したり、スクラップ類を帳簿外に保有してほしいままに売り渡すなど経理のびん乱しているものがある。

(1) 架空名義により支払に立て職員宿舎等の新築または購入をしたもの

1517 ) 第一ほか5管区海上保安本部(注) で、昭和23年5月ごろから25年12月ごろまでの間に、当時新設された各管区本部の宿舎事情が著しく悪く、しかもその整備費予算も十分でなかったため、これが対応策として架空の修繕費、職員旅費等から7,151,850円をねん出し、民間からの寄付金等2,140,150円を合わせ職員宿舎等19むねおよび敷地703坪を新築または購入したものがあるが、国有財産として処理することをはばかり、おおむね財団法人海上保安協会名義としてその一部6むねについては財務局をして賃借契約をさせることとなり、同局等から支払われた賃借料972,431円および居住者から徴収した宿舎料439,836円計1,412,267円を予算外に別途経理したものである。

(注)  第一、第二、第五、第六、第七、第九各管区海上保安本部

(2) 架空の名義により支払に立て職員旅費、会議費等に充当したもの

1518 ) 第六管区海上保安本部ほか8箇所(注) で、昭和26年1月から28年6月までの間に架空の船員旅費、航海日当、修繕費等から696,579円をねん出し、そのうち668,362円を職員旅費、会議費、食糧費等に使用し、第八管区海上保安本部舞鶴海上保安部では、28年6月会計実地検査当時28,217円を手元に保有していた。

 (注)  第六管区海上保安本部、第二管区海上保安本部塩釜、小名浜、酒田、秋田、青森、八戸、釜石各海上保安部、第八管区海上保安本部舞鶴海上保安部

(3) 物品の売渡または購入にあたり会計処理当を得ないもの

1519 ) 第六管区海上保安本部で、昭和26年6月から27年5月までの間に、帳簿外のスクラップ類をほしいままに売り渡したり、物品の購入にあたり不実の経理をしたものが次のとおりある。

〔1〕 26年6月から27年3月までの間に、徳山警備救難署前物品置場および本部鯛尾分室倉庫にあった帳簿外スクラップ約83トンおよび起重機1台(約4.5トン)を広瀬産業株式会社に700,000円で売り渡し、代金のうち340,000円を船員詰所用地の使用に伴う補償料等に使用しているが、360,000円についてはその使途が明らかでない。

〔2〕 27年5月、芸南石炭株式会社に対し石炭200トンの購入代金として1,596,000円を支出しているが、当時実際に搬入されたのは187トンで他の13トンは1年余を経過した28年7月搬入されている。

 なお、13トン分代金相当額103,740円については関係職員が27年8月起訴されている。

〔3〕 27年4月、株式会社井上商店から購入した白ペイント18かん、コールタール15かんの代金として84,600円を支出しているが、実際は26年度末において物品出納簿と現品が不符号であったのを調整する手段として、過剰品となっていた前記物品を購入したように書類を作成し、不足となっていたマニラロープその他20数点および医薬品、食料品、書籍の購入費等に76,100円を使用し、8,500円を手数料および税金相当額として支払ったものである。