日本専売公社の昭和27年度の事業益金は1454億8千2百余万円で前年度に比べ127億9千1百余万円増加しているが、これを事業別にみると、たばこ事業において1461億5千4百余万円の利益、しょう脳事業において1千3百余万円の利益を生じ、一方、塩事業において6億8千5百余万円の損失を生じている。
たばこ事業の益金は、前年度1298億3千8百余万円に比べ163億1千6百余万円の増加を示しているが、これは主として高級品の売行が著しく増加したためである。塩事業費において損失を生じたのは、主として輸入塩の価格が26年度に比べ著しく値下りしたのに伴って売渡価格を引き下げるにあたり、高価な26年度からの繰越輸入塩を多量に保有しているのに27年度の輸入価格を基礎とし売渡価格を決定した結果である。
専売納付金として国庫に納付した額は、前記事業益金1454億8千2百余万円から本年度中に増加した固定資産、たな卸資産および無形資産の合計額117億6千4百余万円を控除した1337億1千8百余万円であって、これを前年度に比べると148億8千余万円(12.5%)の増加、本年度の予定納付益金1305億円に比べると32億1千8百余万円(2.4%)の増加であり、一般会計歳入の12.3%を占めている。
27年度決算は、前記のとおり145,482,698,373円の利益となっているが、本院会計検査の結果修正を要すると認められるものが左のとおりあり、これにより修正計算したとすれば27年度の利益金は145,473,573,097円となる。
決算箇所 | 過誤の内容 | 金額 |
仙台ほか2地方局 |
未収金に計上を漏らしたもの |
円 1,672,790 |
東京地方局 | たな卸資産の計上を漏らしたもの | 1,992,201 |
本社および東京ほか4地方局 | 固定資産の計上を漏らしたもの | 17,368,650 |
本社および高崎地方局 | 固定資産を過大に計上したもの | △30,334,176 |
高崎地方局 | 減価償却引当金を過大に計上したもの | 175,258 |
差引 | △9,125,276 |
27年4月から7月までの間に4千3百余万円で購入したゴールデンバット包か用巻取原紙1,560巻は、年度当初約5箇月分、印刷済のものを合わせて約7箇月分の在庫があったのに購入したもので、11月からゴールデンバットの包か用紙は簡易包装から二重包装に切り替えられたため、その大部分はそのまま使用することができずに断さいして使用したり、評価替えをして価格を下げて他の用紙と交換したりして約370万円の損失をきたしている状況であって、製造たばこの包装等はしばしば変更されることがあるから、その材料の購入量については、変更の際損失を生じないように将来格段の注意が望ましい。