日本国有鉄道広島地方資材部で、本庁調達物品である清かん剤の代用品セイコー防しょく剤24,000キログラムを4,440,000円で購入しているが、本件物品は、清かん剤の代用としてはきわめて高価につくものであるばかりでなく購入する必要も認められないものである。
右は、広島鉄道管理局の要求によって昭和27年10月から11月までの間に、松原興産株式会社から購入したものであるが、9月には既に本庁から清かん剤が28,450キログラム配給されていたのであるから、代用品である本件物品を購入する必要はなかったものであり、また、この種物品は成分が重要であるから当然分析試験を行わなければならないのにこれを行うことなく検収を了していたもので、本院の注意により28年1月に至り初めて同部で分析した結果清かん剤とほぼ同種成分であることが判明し、しかも、使用効果からいえば清かん剤の5割から6割のものと認められるものであるのに、そのキログラム当り単価は185円で、当時本庁調達の清かん剤が90円以下であるのに比べきわめて高価なものである。
なお、本件物品は、27年10月から12月までの間に現業機関に配給済であるのに、28年3月末現在においても前記購入量の約85%に当る20,518キログラムが残存していた状況である。