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  • 昭和28年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第4節 各所管別の不当事項および是正事項|
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地方財政平衡交付金の交付が均衡を欠いたと認められるもの


(17) 地方財政平衡交付金の交付が均衡を欠いたと認められるもの

(組織)自治庁 (項)地方財政平衡交付金

 自治庁で、昭和28年度地方財政平衡交付金(普通交付金)として43道府県に77,900,289,000円を交付しているが、本院で会計実地検査を施行した25府県のうち24府県分38,725,658,000円については、その配分の基準となる財源不足額(基準財政需要額が基準財政収入額をこえる額)を決定するに際して基準財政需要額および基準財政収入額の算定を誤ったため左のとおり財源不足額を過大に計上したものが8府県44,368,000円、過少に計上したものが16県81,315,000円あり、交付額に不均衡を生じている。

府県名 過大に計上された財源不足額 過小に計上された財源不足額

青森県
千円 千円
1,889
岩手〃 2,214
秋田〃 2,246
山形〃 5,257
茨城〃 226
栃木〃 364
埼玉〃 2,609
新潟〃 2,733
富山〃 15,145
石川〃 1,982
福井〃 746
岐阜〃 18,741
愛知〃 826
三重〃 46,486
滋賀〃 810
京都府 4,779
兵庫県 1,721
奈良〃 7,931
和歌山〃 5,509
愛媛〃 168
福岡〃 812
佐賀〃 396
熊本〃 2,057
大分〃 36
44,368 81,315

 このほか、28年度市町村分のうち、本院で会計実地検査を施行した19市町分711,263,000円についても、財源不足額を過大に計上したものが7市2町5,360,000円、過少に計上したものが7市3町1,720,000円ある。
 このように、各地方団体が財源不足額の計算を誤るのは、右交付金の算定方法が総理府令により毎年部分的に改正されること、基礎資料として求められる事項が多種多様で、かつ、その計算方法もまた複雑であることなどの事情にもよるが、主として関係規定の趣旨が徹底していないなど運用について適切を欠いているためと認められるので、本院においては自治庁に対し、

(ア) 基準財政需要額および基準財政収入額の算定については、各地方団体において関係帳簿その他の資料から適確な数値を算出することができるよう内部連絡を緊密にし、特に増減等異動のあった計数についてはその捕そくを誤らないこと、

(イ) 自治庁または各道府県において、適正な数値の算定方法を各地方団体に徹底させるとともにこれらの団体から提出された算出資料に対する審査を十分に行うことなど本制度の実施に関する適切な処置を講ずるよう注意を与えておいた。

 なお、現行の複雑な算定方法に検討を加え、簡明にしてしかも合理的なものとすることが望ましい。