(組織)刑務所 (項)矯正収容費
(組織)少年院 (項)矯正収容費
(組織)少年鑑別所 (項)矯正収容費
札幌刑務所で、収容費の副食用として購入した数の子および身欠にしんは、指名競争入札に付して購入したことになっているが、実際は入札前に本品の大部分が各矯正施設に発送されており、正式に競争入札を行なった上で契約を締結したものとは認められないものがあり、その購入価格も著しく高価となっている。
右は、法務省矯正局長の指示(昭和28年11月20日矯正甲第1281号)によって、数の子6,693キログラムをキログラム当り512円、身欠にしん13,618キログラムをキログラム当り100円80(いずれも納入場所である各矯正施設までの運賃を含む。)の予定価格をもって28年12月10日指名競争入札に付し、挟間某が、数の子キログラム当り500円、身欠にしんキログラム当り100円総額4,708,350円で落札したこととしているが、本院で調査したところによると、本品は、札幌刑務所の委託によって12月7日から本件契約を締結した12月11日までの間に日本通運株式会社小樽支店小樽駅営業所から数の子5,560キログラム(契約数量の約82%)、身欠にしん11,122キログラム(契約数量の約82%)を137矯正施設に発送している事実によっても、本件は正式に競争入札に付して落札者を決定したものとは認めがたい。また、その落札価格は、予定価格に比べて数の子はキログラム当り12円低価となっているが、本件数の子は、北海道水産物検査所の3等合格品であるのに予定価格は当時の1等品に相当する価格でこれを積算し、この間キログラム当り約120円程度の開差があるのみならずこん包費をキログラム当り14円と見込んでいるなど積算がずさんで、かつ、著しく高価となっているのに、前記のように落札価格との差額はわずかに12円にすぎないのも入札参加者6名によって正当に競争された結果とは認められない。
いま、本院で北海道水産物検査所および札幌商工会議所について調査したところによると数の子3等品の契約当時のキログラム当り価格は325円から353円程度であったから、これに運賃諸掛りをキログラム当り18円としても343円から371円程度で購入することができたものと思われ、約90万円が高価となっている。