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  • 昭和28年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第4節 各所管別の不当事項および是正事項|
  • 第4 大蔵省|
  • (一般会計)|
  • 不当事項|
  • 物件

国有物件の損害に対する処置当を得ないもの


(101) 国有物件の損害に対する処置当を得ないもの

 北九州財務局長崎財務部佐世保出張所で、昭和23年9月以降、長崎県原口某に元佐世保海軍施設部所属のディーゼル機関ほか2個を使用させていたところ、同人は26年11月に至って右機械が24年3月の鉱山坑口の土砂崩壊により埋没し返還不能となった旨を申し出たのに対し(鉱業権者は埋没の事実を認めていない。)、十分の調査もしないでこれを承認し、現品の返還に代えてわずかに鉄くず3トンを同人から提供させておき、また、その後あたかも右機械が返還されて同出張所に現存していたように作為して処理したものがある。
 右ディーゼル機関等の損害については、原口某の申出も埋没したというときから著しく遅れているものであり、また、埋没したという箇所も当初の使用条件に違背するものであるから、その事実があったかどうかを調査して適当な求償の処置を執らなければならないのにこれをしないで、26年11月当時の評価額40万円を下らない現品に対しわずかに6万円程度の鉄くずを代替として提供させておき、その後29年6月牛島某に対して他のくず化機械器具の売渡処分をした機会にこの鉄くずを含めて売り渡し、これによって本件現品を売り渡したように装ったのは処置当を得ない。
 なお、本院の注意により原口某から機械の使用料および返還不能に対する弁償金を支払わせることとしたというが、29年9月末現在まだその処置が執られていない。