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  • 昭和28年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第4節 各所管別の不当事項および是正事項|
  • 第11 労働省

(労働者災害補償保険特別会計)


(労働者災害補償保険特別会計)

 昭和28年度の損益の状況は、利益の部、保険料収入等232億2千3百余万円、損失の部、保険金等237億4千4百余万円で差引5億2千余万円の損失で、27年度13億5千5百余万円の利益であったのに比較し保険経済は悪化の傾向にある。
 このような損失をきたしたおもな原因は、収入面でみると、27年度に比較して保険料収入で料率の改正とメリット適用事業場の保険料が基本料率を適用した場合より低くなったことにより、12億7千1百余万円の減を生ずる部分があるが、全体としての収入増は11億7千4百余万円にとどまっているのに対して、支出面でみると、保険金の支払では災害件数が約11%増加したため、22億8千2百余万円の増加となったことなどによるものである。
 なお、既往年度の収納未済額は4億9千1百余万円あり、保険料の徴収不足については毎年検査報告に掲記しているところであるが、本年度においても別項に記載したような事例(2019−2021) を生じており、なお一層適正を図るように注意を要する。
 また、健康保険における結核性疾患の保険給付のうち、相当日時を経過した後、労働者災害補償保険で業務上の疾病であるけい肺症であることが認定されたものについては、別項(926) にも記載したとおり両保険の給付が重複する事例があるので、健康保険との連絡を密にする要がある。