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  • 昭和28年度|
  • 第3章 政府関係機関の会計|
  • 第2節 各政府関係機関別の不当事項|
  • 第1 日本専売公社|
  • 不当事項|
  • 補助金

塩田等改良事業費補助金の精算にあたり処置当を得ないもの


(2206)−(2207) 塩田等改良事業費補助金の精算にあたり処置当を得ないもの

 日本専売公社が昭和28年3月交付した塩田等改良事業費補助金の交付時期が当を得なかったことについては、昭和27年度決算検査報告に記載したとおりであるが、その清算内容をみると、次のとおり補助金が過大交付となっていると認められるものがある。

(2206)  日本専売公社東京地方局で、千葉県富山村農業協同組合に1,971,000円を交付したもののうち、補助対象工事を施行していないものがあって729,271円が過大交付となっている。
 右工事のうち堤防工事は、堤防延長392メートル2,450立米を工事費2,727,347円(これに対する補助金1,363,673円)で施行し、昭和29年3月完成したことになっているが、9月本院会計実地検査の際実測すると、同堤防は延長278.56メートルにすぎず、延長113.44メートルが不足しており、しかも、同堤防は設計図面に比べ0.3メートル低く、全体において土量1,638.9立米不足し、また、法面の裏込その他基礎ぐい等も不足していて総額1,458,542円(補助金相当額729,271円)が出来高不足となっており、右補助金だけで工事を施行した結果となっている。
 なお、本件塩田は面積4ヘクタールであって、補助金交付後である28年5月潤間某が譲り受け、29年5月に至り隣接する佐藤某所有の塩田3ヘクタールと合わせて五井製塩株式会社を設立したものであるが、工事完了後の生産見込量は、年間520トンで、ヘクタール当り約74トンにすぎないのであるから、このような低位の製塩事業に対し補助金を交付してもその目的を達することができないものと認められ、現に、29年度生産見込量300トン(ヘクタール当り43トン)に対し、9月末日までに41トンを生産しているにすぎない状況である。

(2207)  日本専売公社大阪地方局で、赤穂西浜、大塩両塩業協同組合にそれぞれ12,912,539円および13,985,680円を交付したもののうち、荒廃塩田改良事業として補助すべきでない塩田の買収費をその対象としているためそれぞれ737,330円および360,000円計1,097,330円が過大交付となっている。
 右は、前記両組合が流下式モデル塩田を築造するため、前者は奥藤商事株式会社、後者は梶原某の所有する在来塩田をそれぞれ1,844,680円および900,000円で買収したものについて、その買収費に対し補助したものであるが、その塩田は、塩田として使用されるもので、所有権がだれにあるかは経営上の問題であって、仮に買収したとしてもその事業効果に直接影響を及ぼすものでないから在来塩田の買収費まで補助の対象としたのは当を得ない。