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  • 昭和28年度|
  • 第3章 政府関係機関の会計|
  • 第2節 各政府関係機関別の不当事項|
  • 第3 日本電信電話公社|
  • 不当事項|
  • 工事

工事命令の発令が遅延したため不経済な結果となったもの


(2226) 工事命令の発令が遅延したため不経済な結果となったもの

(款)建設改良費 (項)電信電話施設費

 日本電信電話公社東京電気通信工事事務所および東京丸の内地区電話局で施行した日本橋分局加入者新増設工事は、これについての関係当局の工事命令の発令が理由なく遅延し、また、は行した部分があって、これがため完成が遅れ、ひいて新規加入者約1,400名の開通も約7箇月間遅延し、得べかりし相当額の収益を失う結果となっている。

 右工事は、昭和28年3月から10月までの間に、工事費14,203,907円で施行したもので、日本橋分局管内の積滞加入者救済のため、27年5月当時の東京都市電気通信部で計画(土木工事、地下線工事、架空線工事)し、6月関東電気通信局へその工事計画票を送付したものである。本件工事は、本社計画による千代田分局開局に伴う日本橋分局加入区域の一部収容替工事と関連するもので、右収容替の終る28年3月までには、工事が完成するよう諸般の手続を進行させなければならなかったものである。関東電気通信局では、これらの事情を承知していながら認証を遅延し、その間に機構改革により、工事発令事務は東京電信電話管理局に移管されたが、同局では、関東電気通信局から27年12月事務引継を受けたままにしていて、28年2月に至り初めて地下線工事については東京電気通信工事事務所に、架空線工事については東京丸の内地区電話局に工事命令を発したものである。しかも、この際土木工事の発令を漏らし、線路工事実施部局からの連絡によって未発令のことを知り、4月急拠設計して東京丸の内地区電話局に発令した状況であって、工事命令の発令が遅延し、また、適確を欠いたため当初計画では28年3月に完成することとなっていたのが、約7箇月間遅れて10月となり、そのため完成すれば直ちに収容することができたと認められる新規加入者約1,400名の開通も約7箇月間遅延したもので、仮にこの間の得べかりし収益を計算すれば、収入額は約9900万円となり東京電信電話管理局管内の総収支率によって推算すれば、約6900万円となり、遅延のためそれだけの収益を失う結果となっている。