日本電信電話公社で、昭和25年度以降電気通信工事の計画、設計の用に供するため作成した電気通信施設記録図335,617枚について作成後の補正を怠っていたため当初の目的に利用することができず、うち41,131枚を廃棄し、残余のものも活用することができないまま保管しており、従来使用された多額の経費と多大の労力がほとんど徒費された結果となっているものがある。
右電気通信施設記録図は、現場で調査したと同様、正確な計画、設計を机上で行い、経費と時間の節約を図るため、25年度から27年度末までに約1億1410万円を支出(ほかに職員延約16万人が本件作業に従事している。)して作成したものであるが、施設、建設、保全各部局間の連絡不十分と、相次ぐ工事による異動について適時補正をしなかったことなどにより、ほとんど利用価値のないものとなり、29年10月末までに前記335,617枚のうち41,131枚を廃棄したばかりでなく、保管している280,015枚(焼失分14,471枚を除く。)についてもうち約44,000枚は全く利用する方法がなく、その他のものも参考にする程度で本来の目的には活用することができないものとなっている。このため、公社においては新しく施設記録図作成および補正の標準実施方法を作成し、28年度以降において改めて整備し直すこととなっている状況である。